Reader Store、国内事業者初のEPUB 3コンテンツ販売へSony Tabletのサポートに合わせ

ソニーはAndroidタブレット「Sony Tablet S」の3G+Wi-Fiモデルおよび「Sony Tablet P」の発売に伴い、Reader Storeをアップデート。新たに雑誌の取り扱いを開始したほか、国内事業者初となるEPUB 3での販売を開始した。

» 2011年10月28日 17時00分 公開
[西尾泰三,ITmedia]
Reader Storeは雑誌の取り扱い開始に伴い、レイアウトを変更、書籍、コミック、雑誌など各ジャンルをタブでカテゴライズした

 ソニーは10月28日、Androidタブレット「Sony Tablet S」の3G+Wi-Fiモデルおよび「Sony Tablet P」の発売に伴い、対応サービスのアップデートを実施した。

 複数のサービスがSony Tablet向けにアップデートされており、電子書籍関連以外のアップデート内容については「ソニーが「Sony Tablet」向けサービスを拡充――電子書籍/地図情報/Skypeアプリ」をご覧頂きたいが、eBook USERが注目したのは同社の運営する電子書籍ストア「Reader Store」のアップデート。

 今回のアップデートはSony Tablet向けの対応がメインで、まず、Sony Tablet向けReaderアプリ「Reader for Sony Tablet」をバージョンアップ、同日からAndroidマーケットでの提供を開始した。変更点としては、前バージョンからサポートしていたPDF、EPUB 2に加え、新たにXMDF、.book、そしてEPUB 3に対応し、これらのファイルフォーマットで電子書籍を配信している国内のReader Storeを完全サポートした。

 ここで注目したいのは、EPUB 3に対応している点。そう、“ソニーは国内事業者としては初となるEPUB 3形式でのコンテンツ販売を開始”したのだ。同日から販売が開始されたEPUB 3コンテンツは、雑誌や絵本などのカラーコンテンツ約200点で、これが意味するのは、これまでReader Storeで取り扱いのなかった雑誌(『AERA』などの一部雑誌のライト版は従来から販売されていた)などの提供が開始されたことも意味している。ここまでをまとめると、Reader Storeは国内の主要フォーマットに対応し、かつ雑誌を含めた広範なジャンルをカバーしたことになる。

「Reader Store」のトップページを「Sony Tablet S」(画面=左)、「Sony Tablet P」(画面=右)でアクセス。Sony Tablet Pの下のほうにある「〜さんへのおすすめ」と表示されている部分に推薦技術の「VoyAgent」を採用している

カラーコンテンツの絵本「RODY Kids ボビーのぼうけん」をSony Tablet S(画面=左)とSony Tablet P(画面=中央)で表示。Sony Tablet Pでは、縦位置で2画面に見開き2ページを配置したレイアウトになる(Sony Tablet Pは横位置での閲覧画面を用意していない)。Sony Tablet Pで「ソニー自叙伝」を表示(画面=右)

 もちろん、同一アカウントであれば、Reader端末から購入した電子書籍作品をSony Tabletでも読むことができるが、EPUB 3で提供されているコンテンツについては、Sony Tabletからの利用を前提としており、E InkベースのReader端末での閲覧は現時点で不可となっている。

 雑誌ラインアップは、女性ファッション誌「VOGUE」やグルメ情報誌「dancyuu」、「AERA」など月内までに200タイトル、絵本が現時点で2タイトル、11月中にさらに2タイトルが追加される予定。これらのコンテンツについてはライト版も用意され、80円程度から販売されているものもある。このほか、時期は未定だが、写真集やムックなどカラー表示のSony Tabletが持つ表現力を生かしたコンテンツも入荷予定としている。

 EPUB 3についてはヤフーが今冬に開始予定の電子書籍配信サービス「Yahoo!ブックストア」でも採用が決定しているが、それに先駆けて対応を発表したソニー。Reader Storeで現在提供されているEPUB 3コンテンツは画像をEPUBフォーマットでラッピングした簡素なもので、コンテンツ内の文字検索なども行えないが、今後はさらにリッチな機能を持つものが登場してくるとみられる。

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