連続小説の回帰?

米国などで人気の読者参加型児童書『The 39 Clues』が、新シリーズを電子版で提供予定だ。電子書籍とゲーミフィケーションをうまく組み合わせた手法は、連載小説の商業的ノウハウの復権につながるかもしれない。

» 2011年11月29日 14時13分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
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 かつて、連続小説は広く人気があった。広告を配信する手段として、あるいは定期的な売り上げを促進する手段として。小説作品はしばしば短編で出版され、次の回の売り上げを促進するためにしばしば読者を次回が気になる終わり方で置き去りにしたものだ。

 児童書出版大手のScholasticは、学校のブッククラブなどで広く人気のある同社の人気作品「The 39 Clues」の電子版を発売する予定だと今年初めに発表していたが、単なる電子化ではなく、新シリーズとしてクリスマスシーズン中にリリースしようとしている。

 Rapid Fireと名づけられたこのシリーズは、ファンたちがこれまでWebサイト上で議論してきた多くの疑問や推測への回答となっている一方で、独立したストーリーラインも織り込まれている。Rapid Fireシリーズの初回リリースはとりわけ効果的なタイミング、すなわち、学生が学校に登校する時期を考慮した12月25日から順次行われる。

 各回は30ページから40ページで、価格はシリーズで7ドル。印刷版の価格以下で提供する。

 オリジナルシリーズでは、力強い兄と妹の2人組が世界中を旅して、自分たちの力の源についてのヒントを集め、外国で敵と戦うというストーリーになっていた。各回の配信には6枚のヒントを記したカードが付属し、読者はよりインタラクティブなストーリー要素をオンラインで利用できるようなギミックも用意されていた。このシリーズをユニークなものにしている側面の1つは、作品が中堅のヤングアダルト向け作品を執筆している複数の著名な著者によってに執筆されていることだ。

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