米Amazon、電子コミックストアを立ち上げ

Amazon.comは自社のサイト上にDC Comics専門のセクションを立ち上げようとしている。フルカラー表示が可能なKindle Fireの投入により、電子コミックやグラフィックノベルの領域が大きく動き始めている。

» 2011年11月29日 17時30分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
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 電子コミックと電子グラフィックノベルの領域は、この1年で、著者にとっても読者にとっても大きな前進を遂げた。フルカラー表示が可能なタブレットが普及し始めたことで、コミックファンは自分たちの好きな作品の電子版が購入可能になるよう期待しており、実際にその方向に向かいつつある。

 今年、最初の動きの1つは、大手アメコミ出版社であるDC Comicsがこれまで築いてきたDC Comics作品を貫く世界観(DC Universe)を刷新する決定を下し、9月には新たな世界観で再構築されたNew 52を立ち上げたことが挙げられる。紙と電子の同時発売というモデルに刷新されたこの取り組みは好ましくないとした批評家もいたが、実際には、9月からのDCの売り上げは好調に推移しており、書店側も多くの読者が電子版を試してから、それでも印刷版を買いに来店しているとレポートしている。

 そして現在、Amazonは自社のサイト上にDC Comics専門のセクションを立ち上げようとしている。AmazonとDC ComicsがKindle FireにDC Comics100タイトルを独占供給することに同意したとき、幾つかのライバル小売業者はこれに怒り、例えばBarnes & Nobleは自社の書店からそれらのタイトルの印刷版を回収、Barnes & Nobleに次ぐ大手書店で、NOOKデバイスを店頭で販売していたBooks-A-Millionもこれに同調している。

 間もなく登場するこの新しいストアで販売されるコンテンツは、Kindleプラットフォームをサポートするさまざまなデバイスで読むことができる。iOS向けのKindleアプリでは、Kindle Fire向けに提供されているコミックやグラフィックノベルの購入や閲覧が行えないのだが、それらがこの機会に改善されることを期待したい。

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