新都社から火がついたONEさんの人気漫画「ワンパンマン」を、「アイシールド21」でおなじみの村田雄介さんがリメイク――。ネットと紙の人気作家がコラボレートした新「ワンパンマン」は、今最も熱いWeb漫画の1つといえるだろう。
数あるWeb漫画の中でも高い人気を誇る「ワンパンマン」という作品がある。漫画投稿サイトの新都社で2009年に連載がスタートし、同サイトの人気漫画の1つとしてファンに愛されてきた。現在は作者のONEさんが運営する作品サイトで掲載されており、こちらでもすでに1000万以上のアクセスを集めている。
実は今、このワンパンマンのリメイク作品が集英社の漫画サイト「となりのヤングジャンプ」で連載中だ。原作は当然ONEさんなのだが、作画はなんと「アイシールド21」の村田雄介さんが担当。圧倒的な画力とダイナミックな構図でジャンプ読者を魅了した村田さんが、リメイク版ワンパンマンでもその実力を惜しげもなく発揮している。
ワンパンマンは、次々と現れる怪人とヒーローらが闘うという分かりやすいバトル漫画。ユニークなのは、主人公であるサイタマが誰でもほぼ一撃(ワンパン)で倒してしまう圧倒的パワーを持っている点だ。ライバルもいない、成長の余地もあまりないという、ヒーロー漫画の主人公としてはあまりに面白みにかける設定を、逆に面白おかしく描いている。一方でサイタマの周りにいるヒーローたちは勝ち負けの見えない手に汗握るバトルを展開していて、王道的なバトル漫画の楽しさもちゃんとある。
リメイク版では物語の展開をほぼ忠実に再現しつつ、村田さんの緻密な描きこみが作品に新たな命を吹き込んでいる。例えばサイタマに漂うやる気のない感じは健在なのだが、凄んだときのイケメン度が全然違う。サイタマでさえそうなのだから、元からイケメン設定のジェノスのかっこよさは圧倒的だ。5話で登場するモスキート娘は、倒すのが惜しいほどにセクシー。こうなると地獄のフブキといった女性キャラクターの登場が待ち遠しくなる。
原作を読んでいる人にとっては、「あのキャラ・あのシーンがこんな絵になるのか!」といった新鮮な驚きがある新「ワンパンマン」――。Webと紙のS級作家がタッグで送るこの痛快エンタテインメントは見逃せない。
こんな可愛いロボットが俺の家に届くわけがない! と叫びたくなる漫画「リヒト」
絶体絶命の“白い世界”で少年は――「ホワイトドーム」
犠牲と引き換えに人生をやり直す――ニコニコでも人気の「Y字路交差点」
漫画家は作画兼“ボーカル”――漫画と音楽が生み出す「感傷ベクトル」の世界
数字が100になったら何が起こる?――怪しい痛快ギャグ漫画「モブサイコ100」
胡瓜の「このWeb漫画読もうぜ!」第6回:骨太スペースオペラ、開幕――「星界の紋章」がWeb漫画に
胡瓜の「このWeb漫画読もうぜ!」第5回:「キスしないと死にます」――命をかけた“役得”ラブコメ「恋愛暴君」
胡瓜の「このWeb漫画読もうぜ!」第4回:ヤンキー娘、田舎で輝く――男も楽しめる少女漫画「あずきの地」
胡瓜の「このWeb漫画読もうぜ!」第3回:その黒歴史、凶暴につき――「今を逝きる。」
胡瓜の「このWeb漫画読もうぜ!」第2回:羽があるって、楽じゃない――「進学天使」
胡瓜の「このWeb漫画読もうぜ!」第1回:「離せメガネ! 俺は過去へ行く!」――不思議でちょっと切ない「巻き戻し」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.