前門のApple、後門のGoogle――AmazonのKindleも間もなく?

Googleがタブレット「Nexus 7」の国内発売に合わせて電子書籍販売も開始。Amazonもこれに続くだろうか。

» 2012年09月25日 13時30分 公開
[西尾泰三,ITmedia]
Nexus 7 Nexus 7

 Googleが9月25日、日本のGoogle Playでオリジナルタブレット「Nexus 7」を発売した。1万9800円という魅力的な価格帯の7インチタブレットに加え、Google Play内に電子書籍を扱う「Google Playブックス」をオープン、Nexus 7とともにGoogleの電子書店が上陸したことになる。

 現時点では任意のWebブラウザとAndroidアプリから利用でき、間もなくiOS版のアプリも登場するとみられる(ソニーのReaderなどの端末で読む方法なども紹介しているが、こちらは検証してから別途紹介したい)。海外での紹介ビデオでサービスの輪郭はおおよそ理解できるだろう。

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作品のレビューはブクログからの提供も受けているようだ

 ラインアップについては、現時点では角川グループやPHP研究所などの作品がラインアップされている程度で、それほど多くはない印象だが、Google PlayはGoogleのエコシステムの一環で、AppleのApp Storeと同様、そこで売れた価格の30%が販売手数料としてGoogleに渡る。電子書籍についても同様とみられるが、それでもよいと判断している出版社の作品が並んでいるのだと考えれば、Amazonにもこれらの出版社がコンテンツ提供を行うと考えるのはさほど不思議なことではないだろう。

 現在、さまざまなメディアでAmazonが10月に国内での電子書籍事業をスタートすると報道されている。この真偽はともかく、そこで投入されるKindleは、電子ペーパーを搭載する「Kindle Papwerwhite」ではなく、タブレット端末のKindle Fire(もしくはKindle Fire HD)とみられている。

 Kindle Papwerwhiteは米国内でのホリデーシーズン後に海外でも販売する予定とGood e-Readerが伝えているのが正しいとすれば、Kindle Fireを先に投入するという上述の報道に一定の理由が付く。Kindle Fire製品群はAmazonのエコシステムに十分にマッチした専用端末で、電子書籍以外のサービス――例えば音楽や映像など――これまで米国外では十分に活用できなかった部分をこれに合わせて日本でも展開するのかどうかが電子書籍事業の開始と合わせて注目されるポイントだ。

 そのKindle Fireは今回、8.9インチの高解像度モデルを用意するなど、iPhoneとiPadの中間辺りに位置する7インチ周辺のラインアップを充実させた。そして、Nexus 7はその強力なライバルだ。そのライバルが先んじて国内発売を開始し、そこにまだ小さな規模だが電子書籍の販売も開始したことで、Amazonはいよいよ発表を迫られるだろう。この秋はタブレットと電子書籍がセットになって語られることも多くなりそうだ。9月26日21時から放送予定の「eBook TV」でもこのトピックについては掘り下げて紹介したい。

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