3月22日に行われたeBookJapan記者発表会で、ASUSの新しい7インチタブレット端末「MeMO Pad ME172V」が発表された。同タブレットはこの発表の翌日、23日から発売されている。
eBookJapanは同端末にコンテンツサービス、つまり電子書籍サービスを提供するスタンスで、端末にはeBookJapanのビューワアプリがプリインストールされているのが特徴の1つだ。以下では、MeMO Pad ME172Vについてレビューしていこう。なお、電子書店サービスとしてのeBookJapanは「これでもう迷わない、電子書店完全ガイド――eBookJapan」で詳細に解説しているので、そちらを参照してほしい。
表面右上の「eBookJapan」のロゴと、左下の「お問合せ窓口」は、シールなのではがすことができる。ロゴとして刻まれているのは中央下部の「ASUS」ロゴだけだ。
MeMO Pad ME172Vは7インチタブレットでは後発となるが、Android 4.1.1を搭載していることを除けば、端末のスペックはスタンダードなものだ。比較対象としては、Kindle Fireが類似する。ここでは、同じASUS製のNexus 7のスペックも併記した。
端末 | MeMO Pad ME172V | Kindle Fire | Nexus 7 |
---|---|---|---|
幅 | 119.2ミリ | 120ミリ | 120ミリ |
奥行き | 196.2ミリ | 189ミリ | 198.5ミリ |
厚さ | 11.2ミリ | 11.5ミリ | 10.45ミリ |
重さ | 358グラム | 400グラム | 340グラム |
解像度 | 1024×600 | 1024×600 | 1280×800 |
ピクセル密度 | 169ppi | 169ppi | 216ppi |
OS | Android 4.1.1 | Android 4.x系カスタム | Android 4.1 |
CPU | VIA WM8950(1GHz) | OMAP 4430(1.2GHzデュアルコア) | Tegra 3(1.3GHzクアッドコア) |
RAM | 1Gバイト | 1Gバイト | 1Gバイト |
内部ストレージ | 8Gバイト | 8Gバイト | 16Gバイト/32Gバイト |
外部記憶装置 | microSD/SDHC | なし | なし |
内蔵GPS | なし | なし | あり |
NFC | なし | なし | あり |
フロントカメラ | 約100万画素 | 約100万画素 | 約120万画素 |
バックカメラ | なし | なし | なし |
バッテリー(公称) | 約7時間 | 約8.5時間 | 約8時間 |
販売価格 | 1万7800円(「eBook図書券」3150円付き) | 1万2800円 | 1万9800円/2万4800円 |
スペックだけをみれば、MeMO PadはNexus 7の廉価版といえる。端末価格はNexus 7より少し安価な1万7800円で、eBookJapanで使える「eBook図書券」3150円分が価格に含まれる。よって本体価格は実質1万4650円だが、それでもKindle Fireより若干高い。
ただし、eBookJapanで販売されるモデルはコミック全巻セットとバンドルになっており、欲しい作品と一緒に購入する形であればかなりお得ではある。どのような作品とのバンドルが可能かは上記サイトで確認できるが、例えば、全400巻の『手塚治虫全集』(12万5475円)とのセットだと、4万円ほどお得に購入できるし、『進撃の巨人』1〜9巻セットだと電子書籍の価格がほぼ相殺された1万7861円で購入できる。「全巻セットを買ったら、タブレットが付いてきた」と捉えるといいのかもしれない。
なお、同じASUS製だが、Nexus 7と比べると電源・ボリュームボタンの配置が異なる。Nexus 7では右側に配置されているが、MeMO Padは左側だ。
MeMO Padが他の7インチタブレットと大きく異なるのは、microSD/SDHCカードスロットがある点だ。内部ストレージは8Gバイトだが、最大32Gバイトまで拡張できるというわけだ。なお、ASUSによるオンラインストレージサービス(無料で5Gバイト)も用意されている。
ただし、eBookJapanで購入した電子書籍は、外部記憶装置へ移すことができない。eBookJapanには「トランクルーム」というクラウドサービスがあるので、基本は「読み終わったらトランクルームへ戻す」という使い方になるだろう。
また、eBookJapan専用端末ではないので、Google Playも利用可能だ。汎用Androidタブレットと言ってしまえばそれまでだが、自分で使う電子書店を自由に選べる点ではKindle Fireより優秀だ。
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