スティーブン・キング、次作はプリント版のみ販売

スティーブン・キング氏の最新作『Joyland』は6月4日に発売されるが、紙媒体でのみ流通させる考えだ。

» 2013年05月23日 18時00分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 電子書籍の読者はスティーブン・キング氏の次作の小説を読めないかもしれない。同氏は6月4日に発売される『Joyland』は従来の書店でのみ入手できると発表した。

 キング氏は電子書籍を販売していない訳ではなく、2000年に『Riding the Bullet』という小説を発表しており、これは電子書籍でのみ入手できる。また、2012年にはKindle Singlesでのみ読めるエッセーを発表している。

 キング氏はThe Wall Street Journalのインタビューに答えて「電子版を発売する予定はありません。将来のどこかの時点で発売するかもしれませんが、今のところその予定はなく、読者には電子版を求めるよりも奮起して書店へ足を運んでほしいです」と語った。

 出版業界人の多くは、キング氏の最新作が多くの読者を地元の本屋へ引き寄せると推測しているが、電子版を好む読者は海賊版に走るかもしれない。Harry Potterのケースを考えると、電子版では入手できなかったので、幾つかのトレントサイトで何十万ものシーダーを生み出し、海賊行為の源泉となった。そのころに話した多くの海賊版利用者は、電子版の読者として無視されていたので、書籍データのダウンロードしたことにはまったく良心の呵責を感じていなかった。

 読者が購入できる電子版が存在しなければ、この本がスキャンされオンライン上にポストされるのは時間の問題で、まさにスティーブン・キング氏が支援しようとしている書店を苦しめることになる。

 Amazonもプリント版を大幅に値引きして販売しており、ほとんどのケースで書店よりも安く販売するだろう。

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