シニア層の読書量減少は75.5%、電子書籍利用メリットは文字の拡大楽天リサーチ調べ

楽天リサーチが全国の50歳以上の男女1000人に「シニアの読書に関する調査」を実施。7割以上が「読書好き」だが、ここ数年で読書量が「減った」と回答した人は半数近くに上った。

» 2013年08月30日 16時30分 公開
[渡辺まりか,ITmedia]

 楽天リサーチは8月30日、全国の50歳以上の男女合計1000人に「シニアの読書に関する調査」を実施した。期間は8月9日から10日。

 調査によると、7割以上の75.5%が読書が「好き」「どちらかというと好き」と回答し、「好き」と回答した人のうち75.2%が1カ月に複数冊以上の本を読んでいた。その一方で「嫌い」と回答した人は4.5%いたが、そのうち84.4%が「年に1冊未満/ほとんど読まない」と答え、両極端な傾向が見られた。

 1年に1冊以上本を読む人を対象にした、「好きな本のジャンル」のトップは「小説」で72.2%、次いで「実用書」(35.1%)「旅行・ガイドブック」(28.7%)となり、シニア層では小説が多く読まれていることが分かる。

 全体を対象にした「ここ5年から10年の間の読書量の変化」の項目では「変わらない」が最多で37.8%だったが、「大幅に減った」(25.2%)「やや減った」(23.0%)の合計が48.2%で、「大幅に増えた」「やや増えた」の合計(14.0%)を3倍以上も上回った。

 その理由(複数回答)として最大だったのは「文字が読みづらくなった(目が弱くなった/老眼になった)」で56.8%、次いで「携帯電話やパソコンなどで時間がとられるようになった」(31.7%)「仕事や家事などで、読書の時間が足りない」(28.8%)と続き、シニアならではの”小さい文字が読みづらい”という問題が大きな理由を占めていることが分かる。増えたと回答した人ではその理由のうち、9.3%の人が「電子書籍端末やタブレットなどの端末を手に入れた」と回答している。

「読書量が減った理由」

電子書籍ユーザーは16.6%、「小説」「コミック」が人気

 電子書籍の利用に関して、全体を対象にした設問では「経験あり」が16.6%で、少数派なのが分かる。

 電子書籍ユーザーに、読んだことのある電子書籍のジャンルを尋ねた項目では「小説」が72.9%で紙の書籍と同様、人気の高いのが分かる。次いで「コミック」(24.1%、紙の書籍では5位)、「実用書」(16.9%、紙の書籍では2位)となった。

 同じ対象者に、電子書籍閲覧時の端末を尋ねたところ、「PC」がトップの46.4%、2位「タブレット端末」(31.9%)、「電子書籍専用端末(Kobo、Kindleなど)」(24.7%)「スマートフォン」(22.3%)となり、シニア層では画面が大きくて読みやすい端末を選んでいることが分かる。

 「電子書籍を利用してよかったこと(複数回答)」では「文字を自由に拡大・縮小することができる」が55.4%となり大きな文字で読めるのが最大の理由となっている。次いで「手軽に何冊もコンテンツを持ち運ぶことができる」(45.8%)「文字のフォントを変えることができる」(15.7%)となった。

「電子書籍を利用してよかったこと」

 未利用者に「特に興味のある電子書籍の特徴」を尋ねたところ「文字を自由に拡大・縮小することができる」が最多で30.6%、「手軽に何冊もコンテンツを持ち運ぶことができる」(25.9%)「専用端末は、片手で持てる・読める重さである」(10.6%)となり、電子書籍ユーザーが感じているメリットに興味を示していることが分かる。

 上の設問で「電子書籍での読書に興味がない」と回答した人以外(359人)を対象にした設問「今後、電子書籍を利用してみたいか」では「大いに利用を検討する」「やや利用を検討する」の合計(54.3%)が「あまり利用を検討しない」「まったく利用を検討しない」の合計(45.7%)を上回り過半数を超えた。

 以上のことから、実際に電子書籍を利用してみることで、自分の好みの大きさに文字を拡大して読書できること、いつでも何冊ものコンテンツを持ち運べる手軽さ、また電子書籍端末の便利さといったメリットを享受・実感できるので、よりいっそう電子書籍の特徴を周知することで、利用の拡大につながるのではないか、としている。

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