オトバンクは3月5日、「第5回オーディオブックアワード」表彰式典を開催した。
これは、2012年12月から2014年1月の間にオーディオブック配信サイト「FeBe」で配信されたものの中から、優れた作品を表彰するもの。前回までは、ユーザー投票で受賞作が決定していたが、今回から、ダウンロード数とユーザーレビューを総合して評価の高いものを絞り込み、オトバンク会長・上田渉氏が審査委員長を務める「オーディオブックアワード審査委員」により選考され、受賞作を決定する。
最も輝いた作品に贈られる「オーディオブック・オブ・ザ・イヤー」には『海賊とよばれた男』(百田尚樹/講談社)が決定。受賞に際し、百田氏が登壇、「この作品は、主人公・国岡鐵造のモデル、出光興産創業者・出光佐三さんの人生をひたすら忠実にトレースしたもので、わたしの力でできあがったわけではありません。また、このような賞をいただけたのは、演出家と主人公を演じてくださった中村雅俊さん、國村隼さん、演者のみなさんが素晴らしかった、の一言に尽きると思います。」と述べ、感謝を表した。
また、同オーディオブック内で国岡鐵造を演じた中村雅俊氏からはビデオメッセージが届けられ、受賞できたのは、主人公の優れたリーダーシップと魅力によるもので、この人にならついていきたいと思う人が多いのもうなずける、と感想を述べた。加えて、読むだけでもかなりの時間がかかり、できあがった作品の長さは上下巻合わせて30時間近くに及んだこと、収録にその倍以上の時間がかかった、という苦労話にも触れた。
「ビジネス書部門大賞」には『スタンフォードの自分を変える教室』(ケリー・マクゴニガル/大和書房)、「文芸書部門大賞」には『ロスジェネの逆襲』(池井戸潤/ダイヤモンド社)が選ばれた。特に、『ロスジェネの逆襲』では、主人公・半澤直樹を演じた白石稔氏らが受賞挨拶に先立ち、会場で生アフレコを披露し、式典を盛り上げた。
そのほか、今回創設された賞で企画として独自性の高い作品に贈られる「企画賞」には『文芸あねもねR』(文芸あねもねR 制作委員会/朗読:井上喜久子・田中敦子 他)が選ばれ、発表前に保健室のアツコ先生と女子高生・キクコを、同オーディオブックの演者・田中敦子氏と井上喜久子氏が生で朗読し、会場は和やかな雰囲気に包まれた。
全受賞作品は以下のとおり
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