アマゾンのポイント還元サービスが再販契約に違反するという理由で、中小出版社が5月からの出荷停止を決定した。
緑風出版、晩成書房、水声社などの出版社が、5月からアマゾンジャパンへの出荷停止をすると発表した。
今回の決定は、アマゾンジャパンが実施している学生向け会員プログラム「Amazon Student」に対するもの。出版社は同プログラム内の「書籍の販売価格から10%をポイントで還元するサービスは事実上の大幅値引きに相当し、小売価格を維持するための再販契約違反に当たる」と主張した。
再販契約とは、正式名称を再販売価維持制度(再販制度)といい、独占禁止法によって認められた制度。出版社が書籍や雑誌の価格を決定し、全国の読者に同一価格で提供することで、出版物の文化資産としての価値を守ることを目的としている。今回のAmazon Studentでのポイント還元は、値引き行為に当たり、同制度に違反しているというのが各出版社の意見のようだ。
出荷停止の期間は半年で、自社の出版物がサービス適用外になれば解除するとしている。
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