防水対応の電子書籍端末「Kobo Aura H2O」をIFAで体験IFA 2014 Report

Koboの電子書籍専用端末の最新モデル「Kobo Aura H2O」。防水・防塵対応の専用端末は、風呂場での読書に最適な端末と目を付けている方も少なくないだろう。ドイツで開催中のIFA 2014で実機を体験してみた。

» 2014年09月09日 14時00分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),eBook USER]
Kobo Aura H2O Kobo Aura H2O
IFAのKoboブースには9月1日から欧米での予約販売がスタートしたばかりの「Kobo Aura H2O」の大きな垂れ幕が。イメージは「防水」 IFAのKoboブースには9月1日から欧米での予約販売がスタートしたばかりの「Kobo Aura H2O」の大きな垂れ幕が。イメージは「防水」

 9月5日(欧州時間)からドイツのベルリンで開催されている家電の総合展示会「IFA 2014」。ドイツの展示会ということもあり、米国で開催される家電展示会「CES」と比べローカル色がやや強く、欧州(特にドイツ)特有のサービスや製品が多く展示されているのが特徴だ。

 今回、このドイツを含む欧米の一部市場で9月1日から予約注文の受付が始まっているKoboの電子書籍端末「Kobo Aura H2O」(以下、Aura H2O)を会場で触れる機会があったので、ファーストインプレッションをお届けしたい。

Kobo Aura HDより進化したディスプレイ

 Aura H2Oは「Kobo Aura HD」の後継に当たるモデルで、全体に機能面でのブラッシュアップが図られている。

 6.8インチで265dpiの電子ペーパーディスプレイはAura HDと同様だが、Aura H2OではE Inkの電子ペーパーでは最新世代に当たる「Carta」を採用、視認性や応答性が向上している。

 説明員はディスプレイ性能の高さにも触れており、明るい場所や暗い場所など、比較的条件の悪い場所でも文字やイラストが読みやすい点を強調している。

前モデルに当たるKobo Aura HDよりもE-Inkディスプレイの表示性能が向上。明るいところや暗いところでの視認性も良くなっている

 Aura H2Oの商品説明では「風呂場やビーチ」などでの利用も想定しているとある。これらの場所は、基本的に暗所で部分的なライティング(風呂場)だったり、日光が常に降り注いで反射が激しい(ビーチ)ことが多い。Aura H2Oでは全体にディスプレイが明るくなり、そこにアンチグレア加工を合わせることで、こうした条件下での視認性を高めているのだ。

 実際にAura H2Oを手にとったところ、かなり高級感のある表面加工で、滑りにくく扱いやすい印象を受けた。取材を行ったIFA会場は全体にライティング条件があまりよくない傾向があるので、Aura H2Oを持って読み心地に違和感があるケースはないかと歩き回ってみたが、特に読みにくいシーンはなかった。

背面は高級感ある表面加工で、滑りにくくホールド感がある。基本的に露出しているのは本体上部の電源ボタンのみ

 もう1つ、Aura H2Oを特徴付けるのが、「H2O」という名前からも想像できるように「耐水性能」を備える点。電子書籍専用端末としては珍しいこの機能のサポートで、従来よりも活用範囲が大きく広がりそうだ。

 IFAのKoboブース入り口には「Aura H2Oと水」をイメージしたイラストが掲げられているほか、商談用のテーブルにはこの防水性能を試してくれといわんばかりに大きな水槽に水が張られ、来場者にアピールしている。

風呂場での読書に最適な端末

 この防水性能、説明によれば「IP67」基準に準拠。これは水深1メートルの場所で最大30分間防水性能を維持できるというものだ。

 水の中で利用するというよりは、何かの拍子に水没させてしまったりしても、端末の動作には支障がないレベルをイメージするといい。軽く、充電の頻度もスマートフォンやタブレットに比べるととても少なく、取り扱いも精密機器ほど気を遣わない。ビーチやプールサイドに寝そべって、あるいは風呂場でリラックスしながら、読書を存分に楽しみたい方には十分な性能だ。

 なお、Aura H2Oは水に濡れた状態のまま画面をタッチする操作を続けようとすると、画面を拭いて水を落とすよう警告が表示される。設定メニューから警告表示をオフにすることもできるようだが、防水性能は決して水の中で利用するためではなく、あくまで水没を防ぐことが狙いにあるのが改めて確認できる。

水に入れても問題なく動作し、文字も視認できる。パネルに触れて操作しようとするとこうした警告表示が。あくまで防水・防塵対応ということで、プールサイドや風呂場など、水場の近くで電子書籍を楽しむ感じで考えているといいだろう

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