ニュージーランドの図書館で2013年に貸し出された電子書籍の数は80万件

早くから公共図書館で電子書籍の貸し出しを進めてきたニュージーランド。利用者もデジタルの概念を自然に受け入れつつあり、その利用や来館者数も順調に伸びているようだ。

» 2014年12月10日 11時00分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 2011年から電子書籍への投資を進めてきたニュージーランドの公共図書館。ウェリントンやオークランド、クライストチャーチといった都市部の公共図書館ほか40を超える公共図書館が米Overdriveが提供する電子書籍の貸し出しソリューションを採用している。

 これと両輪で、地元の図書館と教育書籍を主に手掛ける出版社Wheelersが共同し、Overdriveとは少し異なる電子書籍貸し出しのアプローチを志向する取り組みも行われてきた。こちらは、独自開発された電子書籍の貸し出しサービスがタウランガとハミルトン地区の図書館で採用されている。

 こうした取り組みにより同国の図書館利用者はデジタルの概念を受け入れつつあり、2012年には35万件だった電子書籍の貸し出しは、2013年には80万件にまで伸長した。

 ニュージーランドの公共図書館でエグゼクティブディレクターとして活躍するティム・アントリック氏は、「こうした電子書籍の盛り上がりにもかかわらず、市場では伝統的な紙の本を見ないことはありません。座ってそうした紙の本を読むのは快適なことこの上ないですし、現代の子どもたちが紙の本に向ける情熱はいささかも衰えていないように思います」と話す。ティム氏は、ニュージーランドでは以前よりも多くの人が図書館に足を運ぶようになってきており、昨年は3700万回以上の来館者があったことを明かしている。

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