「電子書店パピレス」を徹底解剖する電子書店完全ガイド(3/4 ページ)

» 2015年04月01日 07時00分 公開
[鷹野 凌eBook USER]

買いやすさ

 続いて、買いやすさの検証です。

新規会員登録

 パピレスで本を購入するには、会員登録が必要です。新規会員登録時に入力が必要な項目は、[メールアドレス][パスワード][ニックネーム][性別]の4項目です。成人向けコンテンを利用するかどうかは、あとから決めることもできます。前述の通り、パピレス、Renta!、パピレスプラスの3サービスは、共通のIDパスワードで利用できます。ログイン認証も共通なので、1度ログインすれば3サービスともログイン状態になります。


新規会員登録時に入力が必要なのは4項目 新規会員登録時に入力が必要なのは4項目
届いたメールのURLからパスワードを再入力して登録完了 届いたメールのURLからパスワードを再入力して登録完了

決済方法

 パピレスで本を購入するには、ポイントを事前に購入しておく必要があります。ポイントの購入に利用できる決済方法は、クレジットカード(JCB・Visa・Master・AmericanExpress・Diners、Vプリカは利用可能だがデビットカードは非対応)と、キャリア決済(docomo spモード決済、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い)、WebMoney、Yahoo!ウォレット、プロバイダ決済(@nifty・BIGLOBE・OCN・So-net)と多彩です(☆+0.5)。パピレスのポイントはRenta!で直接利用はできませんが、Renta!のチケットに変換できます(100ポイント=1チケット)。


ポイント購入画面 ポイント購入画面
決済方法選択画面 決済方法選択画面

 なお、docomo spモード決済は、PC Webからの購入時には選択できません。また、auかんたん決済は、Androidアプリからの購入時は選択できません。また、決済にYahoo!ウォレットを使う場合は、Tポイントを貯めたり利用したりできます。


購入前確認画面 購入前確認画面
クレジットカード情報の入力画面 クレジットカード情報の入力画面

購入プロセス

 ログイン認証済みかつ十分なポイントを保有している場合、購入完了までに必要なプロセスは[購入する]ボタンと、確認画面の2ステップと非常に簡便です(☆+0.5)。ログイン認証は一定時間セッションが残り、連続で購入する場合はパスワード入力が不要です。


モバイルWebからの購入 モバイルWebからの購入
確認画面で[購入する]をタップ 確認画面で[購入する]をタップ
購入完了 購入完了

 ただし、PC Webからの購入で、ファイル形式が複数ある作品の場合は、選択画面が入るため3ステップになります。購入履歴はファイル形式別になっており、購入したものと別のファイル形式が欲しい場合は、改めて購入し直す必要があります(☆-0.5)。確認した範囲では、MEDUSA形式とXMDF形式を併売している場合が多く、ファイル形式の違いによるメリット・デメリットをあらかじめ理解しておく必要があります。


PC Webからファイル形式が複数ある本を購入する場合は、選択画面が入る PC Webからファイル形式が複数ある本を購入する場合は、選択画面が入る
ここで選んだものと別のファイル形式が欲しい場合、購入し直す必要がある ここで選んだものと別のファイル形式が欲しい場合、購入し直す必要がある

その他

 シリーズ全巻購入、定期購読、予約注文といった機能はありません。海外からの利用については「困ったときには」に「弊店では海外発行のクレジットカードでも、以下のクレジットカード(VISA・MasterCard・JCB・AmericanExpless・DinersClub)であればご利用いただく事ができます」とあり、特に制限は設けられていません。

評点:☆3.5

保管しやすさ

 続いて、保管しやすさの検証です。

本棚機能

 購入した本は、[マイページ]メニューの[購入した本を読む]の、[本棚(未整理)]に入ります。本棚は最大で20架まで作成でき、購入した本をクラウド上で整理できます。


[購入した本を読む]の画面 [購入した本を読む]の画面
本棚は最大で20架まで作成できる 本棚は最大で20架まで作成できる

モバイルWebの本棚 モバイルWebの本棚
AndroidアプリのWeb本棚 AndroidアプリのWeb本棚
XMDFと.bookはモバイルでダウンロードできない XMDFと.bookはモバイルでダウンロードできない

 購入した本がMEDUSA形式の場合、ダウンロードと閲覧はブラウザビューワ(または書庫アプリ)なので、本棚からシームレスに読むことができます。ところが、XMDF形式のファイルを閲覧するには別途「ブンコビューワ」などのアプリが、.book形式は「T-Time」のインストールが必要です。そして、XMDF形式や.book形式の場合、モバイルではダウンロードできない形になっています。

 ファイル形式でビューワアプリが違うのは、最近では珍しい形です。やや煩雑に思えますが、パピレスで配信されているXMDF形式はDRMフリーなので、プラットフォームに縛られないというメリットがあります。

 XMDF形式の公式ビューワアプリである「ブンコビューア」は、Windows版しか出ておらず更新も止まっていますが、例えばソニーのReader端末(日本製のみ)やReaderアプリ(Android版のみ対応)、紀伊國屋書店のKinoppyアプリ(Windowsデスクトップ版、Windowsストアアプリ版、Mac版、Android版、iOS版)などではDRMフリーのXMDF形式ファイルを開くことができます。ただ、パピレスはヘルプに「(MEDUSA形式以外は)スマートフォン・タブレット端末では読めません」と書いており、公式対応ではありません。

 なお、残念ながら.book形式は、筆者が試した限りでは「T-Time」アプリ(Windows版、Mac版)以外の方法では閲覧できませんでした。

再ダウンロード

 購入した本は、端末にダウンロードすればネット接続がない状態でも閲覧可能です。端末の故障やアプリ削除などでダウンロードデータがなくなった場合でも、同じ会員IDであれば何度でも無料で再ダウンロード可能です。

 また、XMDF形式と.book形式は、ファイルのコピーや移動に制限がないため、もしパピレスがサービス終了したとしても、ダウンロードしたファイルを保存しておけば継続して閲覧可能です。ところがMEDUSA形式は、もしパピレスがサービス終了したら閲覧不能になってしまいます。この辺りがファイル形式の違いによる、メリット・デメリットです。

 もっとも、XMDF形式と.book形式は、EPUB形式のように仕様が公開され誰でも自由に利用できるオープンフォーマットではないため、もしシャープ、ボイジャー、Sony、紀伊國屋書店などが対応をやめたら、やはり閲覧不能になってしまうというリスクが存在するのも確かです。

評点:☆3.0

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