電子書籍(実は)もうかります! ちきりんの“I Love ebook”宣言(2/4 ページ)

» 2015年05月30日 07時00分 公開
[出版デジタル機構]

文章力も知名度もなくても、コンテンツさえあれば出版できる

ちきりんさん

 紙の本だと、自分の本を出版できるのは次のいずれかの条件を充たした人だけです。ひとつは「コンテンツを持っていて、自分で文章も書ける人」、もうひとつが「コンテンツと、本を売る知名度を持っている人」。後者の例は有名社長やタレントさんなどですね。知名度があれば出版社がライターを付けてくれるので、文章力は要りません。

 でも世の中には、「強力なコンテンツを持っているけれど、文章力も知名度もない」という人がたくさんいます。そういう人のコンテンツが、紙の本の世界では、広く流通しないんです。

 ところが電子書籍なら、文章化してくれる人さえ調達できれば本にできる。それだけならたいしたコストでもないし、コンテンツが強力で、ライター名が明示されるなら、実績を作りたい新人ライターさんにはいい仕事です。

 それに紙の本の場合、売れた本でも出版から3年も経てば、書店の棚から消えてしまいます。でも電子書籍なら、永久に売り続けることができる。患者数の少ない病気の闘病記など、細く長い需要があるコンテンツこそ、電子書籍として出すべきでしょう。

 私自身は2013年11月に「Chikirinの日記」の育て方」という本を電子書籍として自分で発行しました。2005年3月に始まった社会派ブログ「Chikirinの日記」の運営記ですが、現在1万ダウンロードを突破しています。出版の1年後、文藝春秋から『「自分メディア」はこう作る!  大人気ブログの超戦略的運営記』として紙の書籍化もされました。こういう「電子から紙へ」という流れも今後は増えてほしいですね。

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