日販と同じく、トーハンも減収減益決算となりました。両社からは2015年上半期ベストセラーも発表されています。
6月3日、平成27年3月期(2014年4月1日〜2015年3月31日)の決算概要を発表。電子売上の減少、市販出版物の想定を超える返品の影響などを受けて売上高は123億9500万円(前年比10.6%減)だった。売り上げの減少が響き、利益面も営業損失9億3400万円、経常損失8億8700万円、当期純損失は70億4200万円。固定資産およびのれんの回収可能性を検討した結果、減損損失に58億6800万円を特別損失に計上したという。
返品率は39.4%(前年比6.5ポイント増)。通常、3月に投入している新年度版の出版物を、昨期は前倒ししたことで、旧年度版の返品が2〜3月に集中した。また、夏季の天候不順により店頭販売が伸び悩んだ。
売上高の内訳は「市販出版物」64億7200万円(同12.1%減)、「電子」43億6300万円(同11.4%減)、「手数料収入」3000万円(同9.5%減)、「特別注文品」6億6800万円(同16.1%減)、「広告収入」8億6000万円(同14.3%増)。
6月3日、第68期(2014年4月1日〜2015年3月31日)決算と役員人事を発表した。単体の売上高は4809億1900万円(前年比2.4%減)。経費削減の効果から、営業利益は60億4200万円(同0.3%増)、経常利益は40億9500万円(同7.2%増)。課税所得の増加に伴い法人税等や法人税等調整額が増加したことで、当期純利益は21億3800万円(同3.3%減)と減益となった。
子会社14社を含めた連結売上高は4951億3200万円(同2.7%減)、経常利益は39億1200万円(同1.1%増)、当期純利益は15億9400万円(同16.6%減)。
役員人事は、小野晴輝、田仲幹弘の取締役2氏が常務に昇任。高田聡執行役員が取締役に新任。本川幸史取締役と加藤悟監査役が退任。本川氏は監査役に就く。また、松本俊之氏が上席執行役員に、堀内洋一氏と志賀国隆氏が執行役員に就く。6月26日に行われる株主総会および役員会で承認される見通し。
日販とトーハンは6月1日、2015年の上半期(2014年11月27日〜2015年5月26日)ベストセラーを発表し、1位はともにジェニファー・L・スコット、神崎朗子訳『フランス人は10着しか服を持たない』(大和書房)となった。雑誌掲載時から話題となった又吉直樹氏の純文学小説『火花』(文藝春秋)は、日販で2位、トーハンで3位だった。
日販の3位は池上彰、佐藤優『新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方』(文藝春秋、トーハン4位)、4位は菅井敏之『お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム、トーハン12位)、5位は小林弘幸、大矢たけはる『聞くだけで自立神経が整うCDブック』(同、トーハン7位)。
トーハンの2位は大川隆法『智慧の法 心のダイヤモンドを輝かせよ』(幸福の科学出版、日販9位)、5位は上橋菜穂子『鹿の王(上下)』(KADOKAWA、日販7位)だった。
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