電子書籍がいいのは、本を手に入れ、読むための手段を増やしたこと 古市憲寿の“I Love ebook”宣言(3/4 ページ)

» 2015年06月13日 07時00分 公開
[出版デジタル機構]

紙か電子か、便利な方をそのときどきで選ぶだけ

古市 憲寿さん

 一口に「紙の本」といっても、長い歴史の中でそのスタイルを変えてきました。江戸時代の貸本中心の読書スタイルから、購買する形へ。同じ出版するにしても、今と比べて昔は出版部数が多かったですから、初版で数万部なんてことが珍しくなかったといいますよね。今は初版数千部の本なんてざらです。出版に至らない企画もたくさんあります。こういう本を電子で出版するという形も、これからどんどん増えていくでしょう。出版社を介さず、著者と書店が直接やり取りをするケースも多くなるはずです。

古市 憲寿さん

 だから僕は電子か紙か、どちらが優れているとか、どちらかがダメだと論じる気はありません。電子書籍がいいのは、本を手に入れ、読むための手段を増やしたことです。

 この時代、本を読む習慣をつけるって難しいと思うんです。Facebookやtwitterに比べると本を読むってストレスですよね。自分が好きな話題ばかりが続くわけでもないし、ある程度まとまった時間をかけないと読み切れない。それでも、まだ本を読むことでしか手に入らない情報や経験があります。

 何となく本を読みたいなって瞬間は誰にでもあると思います。いつでも気軽に読める電子書籍は、結果的に読書人口を広げていくんじゃないでしょうか。

古市 憲寿さんの〈I Love ebook宣言〉 「暗闇でも読める! あと、ハウスダストが出ないところも好きだな」。 古市 憲寿さんの〈I Love ebook宣言〉 「暗闇でも読める! あと、ハウスダストが出ないところも好きだな」。

Copyright© 株式会社出版デジタル機構 All Rights Reserved.