想隆社は2月22日、大学/法人向けの電子書籍配信システム「想隆社ドキュメントコンテナ」を発表した。
同システムは、電子書籍を中心とするデジタルコンテンツを配信するためのコンテンツ配信サーバとiPhone/iPad上のクライアントアプリで構成されるもの。電子書籍ストア型のアプリの考えを拡張し、企業の社内資料や大学の広報誌、レジュメ、教科書販売などに利用しようというものだ。登録されたユーザーごとに配布する資料を設定できるほか、閲覧期間を設定できる時限性再生機能などが用意されている。
同システムを採用した事例としては、中央大学の事例が知られている。同大学は2011年1月、国内の大学としては初となるiPhone/iPad向けの電子書籍配信アプリ「白門書房」をリリース、大学案内誌や学部ガイドブック、大学院・専門職大学院案内、附属学校案内などを電子書籍ストア型のアプリで配信開始しているが、このバックエンドにドキュメントコンテナが採用されている。
想隆社によると、大学などでは論文などの電子ドキュメントを管理するシステムは数多く存在するが、学生が各種提出物・レジュメなどを受け取るシステムや図書館システムなどが並列しており、統一されていなかったとしており、今回発表したものが統一的なソリューションになるとしている。
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