紀伊國屋書店、電子書籍サービスを大幅拡充――ソニーのReaderをサポート
紀伊國屋書店は、自社の電子書籍サービスでソニーのReaderを新たにサポート。そのほか一挙にサービスを拡充した。
紀伊國屋書店は10月20日、同社の電子書籍サービスについて、新たにソニーの電子書籍リーダー「Reader」をサポート、合わせてPC向けのストア/ビューワアプリ「Kinoppy for PC」をリリースし、サービスを一挙に拡充した。
Readerの新モデル「PRS-T1」が10月20日から国内販売を開始したのに合わせ、業界が大きく動きつつある。ソニー、楽天、紀伊国屋書店、パナソニックの4社は、電子書籍サービスの利便性向上に向け、それぞれが提供する電子書籍端末や販売ストアの相互接続を行っていくことを6月に発表しており、10月19日には楽天の電子書籍ストア「Raboo」で購入したコンテンツを11月初旬をめどにReaderで閲覧可能にすることが発表されている。
紀伊國屋書店はこの日、同社の電子書籍サービス「紀伊國屋書店BookWeb」で販売するコンテンツをReaderでも閲覧可能にすると発表した。こちらは同日からの対応となるが、現時点ではRabooの発表と同様、PCを介してコンテンツをReaderに転送する形での対応となる。
紀伊國屋書店BookWebで購入したコンテンツをReaderで読むには、紀伊國屋書BookWebのアカウントとReaderのひも付けが必要。紀伊國屋書BookWebにログイン後、マイページのメニューにある「Reader利用機器の登録・解除」から「機器認証を行う」に進むことで、最大2台のReaderをひも付けることができる。2台となっているのは、Sony Tabletのサポートも視野に入れたものとみられる。いずれにせよ、ReaderでReader Store、Raboo、紀伊國屋書店BookWebが利用可能になったことで、お勧めできる端末になったといってよいだろう。
また、紀伊國屋書店は、紀伊國屋書BookWebのアプリとして提供している「Kinoppy」について、新たにPC向けの「Kinoppy for PC」をリリースした。これにより、iOS、Android、PCで紀伊國屋書店の電子書籍サービスが利用可能となる。
Kinoppyアプリについては、iOS版が最新の機能をいち早く取り入れる形で進化しており、最新バージョンで青空文庫フォーマットおよびEPUB 3にいち早く対応、さらにOpen in(次の方法で開く)機能にも対応した。いずれのフォーマットも紀伊國屋書BookWebでは現時点で取り扱っていないことを考えると、マルチビューワ的な使い方ができるようになったのも注目したい。
Readerのサポートに合わせ、主要4店舗に「電子書籍コーナー」を設置。8月にコーナーが設置された新宿本店に加え、梅田本店、札幌本店、流山おおたかの森店では実際にスマートフォンやタブレット、Readerなどから同社の電子書籍サービスを試すことができる。新宿本店1階ひろばでは20日から23日までReaderのタッチ&トライも実施しているので、店頭に足を運んだ際には試してみてほしい。なお、一連の発表に伴い、上記4店舗および紀伊國屋書店BookWebではReader本体の販売も開始している。
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