ハリー・ポッターシリーズの電子書籍版、OverDrive経由で入手可能に
Pottermoreの正式オープンは延期されているが、ハリー・ポッターシリーズの電子書籍版がOverDrive経由で入手可能となったのは、最近大手6大出版社の容赦ない攻撃にさらされてきたOverDriveの見事な反撃だ。
OverDriveが先日発表したプレスリリースによると、ハリー・ポッターシリーズの電子書籍版がOverDrive経由で公立および学校図書館で貸し出しできるようになる。貸出用電子データの世界最大のサプライヤーであるにもかかわらず、最近は大手6大出版社の容赦ない攻撃にさらされてきたOverDriveの見事な反撃だ。
海賊版電子書籍と著者の利益をめぐる懸念から、幾つかの出版社はOverDriveのカタログから自社タイトルを引き上げた。そもそも幾つかの出版社は貸し出しカタログがAmazon Kindleに対応するまでの参加としていたことで、そのいざこざ以来多くの憶測が共有されてきた。
「われわれは公立および学校図書館を積極的にサポートしている」とPottermoreのCEO、チャーリー・レッドメイン氏はプレスリリースの中で述べた。「そして、OverDriveはマーケットのリーディングサプライヤーの一員として、世界中の素晴らしい本の発見をサポートするだけでなく、その目的を達するためのグローバルネットワークをわれわれに提供している」(レッドメイン氏)。
「J.K.ローリング氏のハリー・ポッターシリーズは一生に一度のことで、現在および未来の読書と識字にとって非常に重要な触媒となっている」とOverDriveのCEOであり社長のスティーブ・ポタッシュ氏はプレスリリースの中で述べた。「人々に愛されるこの物語体験を世界中の公立および学校図書館向けに提供できて光栄だ」(ポタッシュ氏)。
シリーズの著者、J.K.ローリング氏は、当初から著作の電子著作権を手放さなかったので、いつどこで同作の電子書籍版を入手可能にするかの決定権を有しており、その先見の明を称賛されている。ローリング氏はシリーズをオンライン化するに当たって、販売手数料のかかる既存プラットフォームに著作を託すよりも、自分のWebサイト、Pottermoreの開発を選択した。
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