小学生は電子書籍を知らないし親も読ませたいと思っていない――子どもライフスタイル調査から
アスキー・メディアワークスが実施した『子どもライフスタイル調査2012 冬』の調査結果によると、小学生の半数以上が電子雑誌・電子書籍を知らず、その保護者も半数以上が電子書籍を読ませたい(読んであげたい)と考えていないようだ。
小学生の半数以上が電子雑誌・電子書籍を知らず、その保護者も半数以上が電子書籍を読ませたい(読んであげたい)と考えていない――アスキー・メディアワークスが実施した『子どもライフスタイル調査2012 冬』でこうした傾向が明らかとなった。
同調査は、アスキー・メディアワークスが『子どもライフスタイル調査2012 冬』として、同社が発行する男子小学生向けゲーム情報誌「デンゲキニンテンドーDS」と、女の子向けゲーム&キャラクター情報誌「キャラぱふぇ」の読者とその保護者を対象に、回答者から小学生を抽出して集計したもの。集計サンプル数は834件。
詳細はレポート(PDF)を参照いただくとして、エッセンスとなる部分を紹介すると、小学生の読書意欲については、男子小学生で79%、女子小学生で90%が「読書を好き」もしくは「どちらかと言えば好き」と回答した。特に女子は「好き」という回答の比率が高く、60%を占めているのが注目される。なお、同調査では漫画・雑誌・学習参考書の読書は除外されている。
1カ月の読書量では男子小学生の40%、女子小学生の29%が「1〜2冊」と回答。女子小学生は23%が「10冊以上」と回答している。一方、「読んでいない」は、男子小学生で9%、女子小学生で4%だった。また、読む本の選び方については、男子小学生の64%、女子小学生の73%が「書店や図書館で自分で選ぶ」と回答している。女子では高学年(4〜6年)になると「好きな文庫シリーズを読む」という回答が半数を占めている。
電子書籍、子どもは「知らない」、親は「読ませたいと思わない」
eBook USERが注目したのは「小学生の電子雑誌・電子書籍の購読について」の設問。同設問には男子小学生の65%、女子小学生の71%が「知らない」と回答。一方、「利用して読んだことがある」とした回答は男子小学生で3%、女子小学生で4%にとどまった。
保護者への設問では、男子小学生の保護者の74%、女子小学生の保護者の57%が自分の子どもに「もっと本を読んで欲しい」と回答しているが、電子雑誌・電子書籍を読ませたい(読んであげたい)かという設問では、「(読ませたいと)思わない」とする回答が男子小学生の保護者で56%、女子小学生の保護者で63%となり、「思う」とした回答を大きく引き離す結果となった。この理由については、「視力が低下する」「電子書籍を利用する必然性を感じない」がそれぞれ約半数を占めている。
先日ジャストシステムが行った「電子書籍に関するアンケート調査」では電子書籍の利用経験があるのは全体の3割という結果が明らかになっている。今回の調査でも、小学生の読書意欲は決して低くないが、電子書籍については啓もうが小学生当人およびその保護者に対して十分に行われていないようだ。
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