Barnes & Nobleの電子書籍部門、大手出版社と司法省の和解で苦境に?
米国司法省が電子書籍の価格操作で出版大手5社とAppleを告訴した一件は、Barnes & Nobleにとっても対岸の火事ではない。
先週、米国司法省は電子書籍の価格操作で出版大手5社とAppleを告訴した。MacmillanとPenguinが引き続き法廷闘争を行う一方で、Simon & Schuster、Hachette Book Group、Harpercollinsは和解を決めている。この動きは連鎖的にBarnes & Nobleの電子書籍ストアにまで影響を及ぼすだろう。
和解の声明は木曜日にBarnes & Nobleの株価を6.4%押し下げた。ほとんどの業界人がAmazonはマーケットシェアを獲得するため電子書籍販売であえて大きな損失を出しているので、米国最大の書店は苦境に陥るかもしれないと考えている。「これはBarnes & Nobleにとって、大きな問題です」とForresterのアナリスト、ジェームズ・マクワイベイ氏は述べる。「Amazonは書籍だけではない、多くの商品群を通じてマネタイズ可能な顧客との驚異的関係を築いています。電子書籍で損失を出しても、それをほかで埋め合わせることができます。Barnes & Nobleにはそれほどの余裕がありません」。
問題はBarnes & Nobleが肥大化した小売チェーンを抱えており、変化の激しい環境にとどまり続けるために電子書籍部門全体で一定の利益を出す必要があるということだ。Wall Street JournalはBarnes & Nobleがジェームズ・パターソン氏とデービッド・エリス氏の共著である「Guilty Wives」の電子書籍版を12.99ドルで発売したことに触れた。現在の価格モデルでは、Barnes & Nobleが売り上げの30%、3.90ドルを受け取ることになる。しかし、書籍が割引販売されると、競合他社の割引率に応じて、Barnes & Nobleは1部販売するごとに逆ざやになる可能性がある。
Amazonは最近の訴訟で米国司法省と和解した出版社との間で疑いようもなく契約更新の利点を最大限に生かすことができる立場にある。再び電子書籍を大量に購入し最安値で販売できるだけでなく、自身の出版レーベルもローンチしようとしている。
Barnes & Nobleは短期的に電子書籍のような電子コンテンツでそれほど損失を出すことはないかもしれないが、新契約の交渉と他社ストアの割引価格次第では痛みを感じることもあるかもしれない。同社は、停滞する自社電子書籍リーダー群の売り上げを底上げする可能性のある「NOOK Touch with Glow Light」を発表した。Barnes & Nobleの電子書籍リーダーはAndroid OSを搭載しており、アプリをロードしそれらを管理する際の自由度が高いので、NOOK系デバイスに魅了される人は多い。
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