出版社、偽造教科書訴訟で勝利
米国内で流通している大量の偽造教科書。そして、その供給元となっている海外仕入先が明らかになり、教科書出版社は法的措置を含めた強い姿勢に出ている。
Cengage Learning、John Wiley、Pearson、McGraw-Hillなど一部大手出版社が過去6カ月間に行った集中的な調査により、米国内で流通している大量の偽造教科書の存在と、教科書流通業者の仕入先のうち、海外仕入先が偽造教科書の供給元となっていることが分かった。そして、これらの大手出版社は商標および著作権侵害訴訟での和解を表明した。出版社との和解に応じた流通業者はカリフォルニア州のKentwood Industries、テキサス州のTexas Book Company、フロリダ州のSterling Educational Media、カリフォルニア州のDavis Textbook、アーカンソー州の(Budgetext Corporationとして知られていた)ABSnext Corporationとなっている。
「この和解が、“教科書出版社は偽造教科書販売の売り上げにより利益を上げる業者を許容しない”という強いメッセージになることを望みます」とCengage Learning、Wiley、Pearson、McGraw-Hillの代理を務めたOppenheim + Zebrakのマット・オッペンハイム氏は語った。「これらの企業は継続して自社の権利を強化し、誤った行為に対する代償を払うことなく他者が偽造教科書販売することを許容するつもりはありません」。
大手出版社はこれらの流通5社と和解したが、同様の行為を行なった個人と企業のグループに対する措置を現在検討している。
教科書市場全体はAmazon、Kno、Cheuggが提供する電子教科書の攻勢を徐々に受けている。電子教科書は生まれてまだ日が浅く、紙の教科書が継続して教室で最も支持されていることに変わりはない。これらの裁判に関連する大手出版社は教科書部門の統合を図っており、偽造品販売で利益を上げる中小企業を一掃しようとしている。
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