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欧州委員会が2015年からVATルールを変更、Amazonなど米国系電子書籍ストア大手を完全包囲へ
欧州委員会は2015年から付加価値税のルールを変更することで、EU加盟国間での格差を解消する考え。
米国の電子書籍ニュースサイト「The Digital Reader」によると、EU加盟国の間で電子書籍の付加価値税(VAT、日本の消費税に相当)に大きな格差が生じている件にからみ、欧州委員会は2015年から協定変更する模様。
現在、EU加盟国は欧州委員会での協定により、電子書籍作品の売上金に15〜20%程度のVATを“内税方式”で課すことになっている。しかし、メディア業界に手厚い保護をすることで有名な富裕国ルクセンブルクはこの協定を無視し、自国内でのVATを3%と低く設定しており、欧州委員会で問題になっていた。
新協定では法人登記国から購入者居住国のVATを課税する方式に切り替わるため、ルクセンブルクに欧州部門の登記を置くAmazon、Apple、Koboと、各国のローカル電子書籍ストアの間で生じていた大きな価格差が、かなり解消されることになる。
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