NOOK、フランクフルトでデバイス・個人出版・将来展望について語る
Barnes & Nobleは米国依存の企業からの脱却を図るべく、NOOKに全力を傾ける考えが改めて示された。
10月に開催されたフランクフルト・ブックフェアで我々はBarnes & Nobleの電子コンテンツ担当副社長、テレサ・ホーナー氏と対談し、NOOK部門の現状、個人出版プラットフォーム「NOOK Press」、近日中に開始予定としたアフィリエイトプログラムについて聞いた。
この議論の中で興味深いトピックの中の1つが、NOOK部門の現状に対するホーナー氏の意見表明だ。同社が電子書籍リーダー・タブレット部門を売却しようとしているといううわさが、同部門がBarnes & Nobleの重荷であるかのような印象を与えてしまっていることに関連するものである。
「われわれ(NOOK部門)は姿を消すところからは程遠く、ほとんどばかげているといってもよいでしょう」とホーナー氏。「明らかに、われわれはここに存在しています。Barnes & NobleはNOOKに全力を傾けており、新デバイスを発表すると公表しており、そのためのロードマップが存在しています。パロ・アルトとニューヨークにいるチームが、最高に革新的な製品を製造するのにまい進しています。われわれは米国の電子書籍市場でいまだに大手の一角にあり、学んだことを海外へ移行し始めています。どうすれば米国依存の企業ではなく、国際企業になれるかを学習しているところで、だからこそわれわれはここ(フランクフルト・ブックフェア)にいるのです」(ホーナー氏)
Barns & Nobleがフランクフルトでデモを行った目玉製品の1つが、NOOK Pressを米国外の著者にも開放するものだ(β版として提供)。これまでは、著者の国の通貨での著作権料・税金・付加価値税の支払いといったことが障害となり、米国外居住者には開放されていなかったのだが、この国際化への動きによって著者はそれぞれの市場向けの価格設定を行うこともできる。このサービスは、同様に米国拠点の著者がタイトルを海外市場で出版する際に提供されるともいわれている。
ホーナー氏はアフィリエイトプログラムについても発言し、主としてプロセスをよりシンプルにより洗練し、電子書籍を購入するようにNOOKサイトへ読者を誘導することで収益を最大化する点において、アフィリエイターとなることが著者の助けになると述べた。
「われわれは著者の巨大ネットワークを利用し、読者が利用したい小売業者を選択してもらうように求めています。特定の1つの小売業者に自分の売り上げを依存すると、自分の市場シェア全体はその小売業者にのみ依存するのは自明です」(ホーナー氏)
ホーナー氏の述べた結論は、NOOKがストアとデバイスに関するうわさや予測を一蹴し、これまでと同じように同社が存在し続ける理由を説明する一助となる。
「電子書籍ビジネスはいまだにそれにかかわる誰にとっても非常に新しいものです。市場全体は年を追うごとに3けた成長を遂げることはないということ、そしてこれを成熟したビジネスに転換する方法を理解し始めていると思います」(ホーナー氏)
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