良作はデータが教えてくれる? 「第1回CRUNCH NOVELS新人賞」の受賞作が決定
ディスカヴァー・トゥエンティワンとCRUNCHERSが、小説のデータ解析を選考に活用した「第1回CRUNCH NOVELS新人賞」の受賞者を発表した。
ディスカヴァー・トゥエンティワンとCRUNCHERSは8月20日、共同開催する小説新人賞「第1回CRUNCH NOVELS新人賞」の受賞者を発表した。応募総数は878作品。
同賞は、インターネット経由の応募システム、データ分析を活用した選考、「作品より作家」を重視する選抜基準、受賞者と編集チームによるデビュー小説の共同創作などのアプローチを採用した小説新人賞。
第1回の新人賞を受賞したのは佐久本庸介さんで、今後は両社編集チームと共同でデビュー作を創作予定。奨励賞を受賞したrmaさん、高野まどかさん、佐川恭一さんの3名も、編集チームによるサポートの下、小説の出版に向けて動き出すという。
同賞の予備選考には、CRUNCHERSが開発した小説評価アルゴリズムを使用。自然言語処理技術を活用し、作品内で使われている語彙の豊かさ、特徴的な用語の利用、語彙に基づいて判定される作品カテゴリー情報、作中に現れる感情表現の種類・数・出現位置、作中に現れる否定的及び肯定的な意味の語の影響度・出現位置などを抽出。それらとCRUNCHERSの作品投稿サイト「CRUNCH MAGAZINE」内での閲覧や反響との関係などを機械学習させた評価エンジンにより、優れた作品を評価するという。同様の取り組みは、例えば映画の世界であれば、ハリウッド映画の興行成績を脚本段階で予測するアルゴリズムが特徴の「Epagogix」などが知られている。
なお、同賞に応募された作品の中で同解析モデルが最も優れた作品と予測したのは、佐川恭一さんの『シュトラーパゼムの穏やかな午後』だった。
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