日販、減収減益の決算
5月29日、第67期(2014年4月1日〜2015年3月31日)決算の概況を発表した。子会社21社を含めた連結売上高は6610億9600万円(前年比3.1%減)、営業利益は25億8800万円(同45.5%減)、経常利益は36億2600万円(同31.1%減)、当期純利益は10億5200万円(同53.8%減)と厳しい結果となった。
書店店頭売り上げの落ち込みが顕著で、雑誌は同7.3%減、書籍は同7.6%減。コミックスは、映像化もされた『暗殺教室』(集英社)や『アオハライド』(同)などのヒット作があったことから、同0.1%減に止めた。
日販単体では、売上高5383億0900万円(同5.1%減)、営業利益19億2400万円(同33.4%減)、経常利益25億2500万円(同25.5%減)、当期純利益8億5300万円(同58.0%減)。返品率は書籍が31.3%(同0.1ポイント減)、雑誌が38.8%(同0.2ポイント減)、開発商品が29.5%(同3.8ポイント増)で、計35.2%(同0.1ポイント減)だった。
第7回「角川春樹小説賞」決まる
5月29日、角川春樹事務所の第7回「角川春樹小説賞」の受賞作が、櫻部由美子氏の『シンデレラ異聞 小さなガラスの靴』に決まった。特別賞は新美健氏の『巨眼を撃て』。応募総数は402編。受賞作は9月末に出版される予定。授賞式は10月1日に都内で行う。
第2回「暮らしの小説大賞」決まる
5月29日、産業編集センターが主催する第2回「暮らしの小説大賞」が発表された。受賞作は丸山浮草氏の『ゴージャスなナポリタン』。応募総数は148編。丸山氏は新潟県出身。現在はフリーのコピーライター。受賞作は、産業編集センターから10月に単行本として発売される予定。
同賞は2013年、「小説をもっと身近なものとして感じてほしい」と創設。募集テーマは「衣・食・住」。次回は作家・石田千氏が選考委員に加わる。
「広辞苑」(岩波書店)、60周年でキャンペーン
『広辞苑』が5月25日、第一版の刊行から60周年を迎え、岩波書店ではこれを記念して全国の書店でキャンペーンを行う。6月初旬、書店に店着するリーフレットに掲載されるクイズやアンケートに答えた読者の中から抽選で、『広辞苑』を搭載した電子辞書や、同辞典の普通版が入る特製ポーチ、さらに特製赤カバーをプレゼントする。赤カバーをかけた『広辞苑』はキャンペーンに参加する協力書店で限定販売を始めた。
『広辞苑』は1955(昭和30)年の5月25日に刊行。当時の価格は2000円。2008年に刊行した第6版で、累計発行部数は1100万部に達している。
岩波書店ではこのほど、『広辞苑』のFacebookページを立ち上げて、同辞典のこぼれ話や豆知識などを発信し始めた。
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