2014年度の電子書籍市場は1266億円に、電子雑誌市場も145億円と伸長:電子書籍ビジネス調査報告書2015
インプレス総合研究所による「電子書籍ビジネス調査報告書2015」のハイライトが発表。同社は2015年度には、電子書籍市場規模が1600億円、電子雑誌市場規模が290億円に到達すると予測している。
インプレス総合研究所は6月29日、電子書籍市場規模の推計結果を「電子書籍ビジネス調査報告書2015」としてまとめ、そのハイライトを発表した。リポートは7月30日に発売予定。
報告書は、「通信事業者」「出版社」「電子書籍ストア」「取次事業者」「ポータルサイト」「コンテンツプロバイダー」といった電子書籍関連業者へのヒアリングや、ユーザーへのアンケートなどを分析したもの。
調査によると、2014年度の電子書籍市場規模は1266億円で前年比の35%増(2013年度推計936億円)、電子雑誌市場規模は145億円で前年比の39%増(2013年度推計77億円)と、前年度の予測に沿う形でいずれも拡大した(前回の予測では2014年度の電子書籍市場規模を1250億円としていた)。
電子書籍市場規模の拡大には、スマートフォンやタブレットユーザーが増加したことに加え、電子書店のテレビCMや、Webサイトでの広告表示、電子書店や出版社によるキャンペーンの拡大による平均購入量の増加などが影響しているとし、電子雑誌市場規模の拡大は、読み放題サービスの利用者増加がその要因だとしている。6月24日には、ソフトバンクモバイルによる雑誌読み放題サービス「ブック放題」もスタートした。
2010年以降の同社予測を並べてみると以下のようになる(グラフのみで数値が明記されていない部分は憶測)。これを見ると、2011年度の予測がかなりアグレッシブだったこと、最新の予測ではやや下方気味に修正されていることが分かる。
同社は2015年度には、電子書籍市場規模が1600億円、電子雑誌市場規模が290億円になると予測。電子書店のマーケティングノウハウの蓄積や、セルフパブリッシングの拡大、紙書籍・紙雑誌との同時発売の増加などにより今後も市場は成長を続け、2019年度には電子書籍・電子雑誌を合わせた市場規模は3400億円に到達すると予測している。
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