日本エクセロン,RDBに対するXMLの優位性をアピール

【国内記事】 2001.07.11

 日本エクセロンは7月11日,XMLによるB2Bソリューションなどの紹介を行う「EXCELON FORUM 2001 XMLとe革命のリアリティ」を都内で開催し,同社や米アマゾン・ドットコム,日本アリバ,インテル,伊藤忠テクノサイエンスをはじめ,十数社がプレゼンテーションを行った。また,会場に併設された展示会場では,それぞれのソリューションを来場者に説明するためのブースが設けられた。

 エクセロンのセッションで講演した同社ソリューションエンジニアの武末徹也氏は,「RDBのように,従来のスキーマ中心の情報表現では,データだけでは何も表すことができなかった。しかし,XMLの階層構造の性質を用いると,データ自身が構造を記述できるので,情報項目の追加や削除も簡単に行うことができる」と話す。

 例として,RDBの図書の購買データを示すテーブル定義で,「購買者」「購入日」「価格」「書名」「著者」という項目があるとする。ここに,新たに,その本の「出版社」を定義に加えようとすると,スキーマを作り直さなくてはならない。一度,稼動しているシステムを止め,テーブル定義書を書き換え,プログラムを修正し,動作確認テストをするという大掛かりなものになるという。そして,「修正の影響範囲が思ったより大きかった」といった状況を招き,最も典型的なバグ発生原因の1つになるともいえる。

 一方で,XMLデータはスキーマに依存しておらず,自らで完結している。この例で,「出版社」を加える場合でも,階層構造にぶら下がる項目が1つ増えるだけであり,システムを止める必要もないという。

 XMLのそのほかの利点として同氏は,HTMLの次世代版でインターネット標準であることや,XSLなどの変換言語をはじめとして豊富な関連標準があることなどを挙げている。

 さらにエクセロンは,XMLドキュメントの格納や更新および削除処理ができ,XMLアプリケーションの開発環境「Stylus Studio」なども提供する同社の「Extensible Information Server」(XIS)や,企業間/企業内ビジネスプロセスの統合を行う「Integration Server」など,同社のソリューションを紹介した。

 エクセロンは,導入事例として,デルコンピュータのヨーロッパ,中近東,アフリカを統括するデルコンピュータEMEAを紹介した。問題としては,17カ国11言語に対応しなくてはいけないことで,コンテンツの管理が困難だったことやシステム製品のスペックがすぐに変更されるため,データベースのスキーマが定まらないことなどが課題としてあったという。

関連リンク

▼日本エクセロン

▼EXCELON FORUM 2001サイト

▼日本エクセロン,XMLデータサーバの新版「Extensible Information Server 3.0」を発表

[怒賀新也 ,ITmedia]