10月1日,Oracle9iの登場でスタートする日本オラクルの逆襲

【国内記事】 2001.09.26

 日本オラクルは9月26日,同社がリアルE-ビジネスを実現する完全なプラットフォームとして10月1日にリリースするOracle9i Database(Oracle9iDB)を日本国内のユーザーやパートナーにお披露目するランチイベント「Oracle9iリアルE-ビジネスカンファレンス」を都内ホテルで開催した。

オープニングで紹介されたビデオ。なかなかチャレンジ精神おう盛だ

 カンファレンスのオープニングには,ブルーの画面が登場し,地球に降り立った2人の宇宙飛行士が,Oracle9iDBの登場を見て腰を抜かす,という内容のビデオを上映。Oracle9iの登場に向け,嵐の前の静けさを保っていた日本オラクルもついに反撃ののろしを上げた。

 相変わらずの,チャレンジ精神に富んだマーケティング手法だが,これまでも同社は,データベースおよびアプリケーションサーバ,それぞれの分野で,「オラクルチャレンジ!」という100万ドルを賭けた広告展開を行っている。

基調講演に登場した日本オラクルの新宅社長

 基調講演に登場した,日本オラクル代表取締役社長,新宅正明氏は,「現在,われわれは,UNIX環境で68%,Windows環境で49%,Linux環境で69%(2001年6月現在,IDC調べ)という圧倒的なシェアをもっている。Oracle9iDBの登場により,この優位性はさらにゆるぎないものとなるだろう」と言う。

 9月11日に米国で発生した同時多発テロの影響で来日を取りやめた米オラクル・コーポレーションの製品&サービス担当上級副社長,ジェレミー・バートン氏もビデオで登場し,「Oracle9iは,最新の技術と圧倒的なパフォーマンスを搭載した完全なE-ビジネスプラットフォームだ。日本の顧客の皆さんに自信を持って提供できる」と話した。

 新宅氏は,Oracle9iは「(Oracle8iに比べ)5倍の性能と10倍の性能の向上を実現した完全なE-ビジネスプラットフォーム」という。現在,日本国内で進行中のブロードバンド構想やe-Japan構想に,確実に貢献できる製品だとしている。

「われわれは,Oracle7でC/S環境に対応し,Oracle8/8iでインターネットをサポートした。さらにOracle9iでは,完全なE-(ラージ・イー)ビジネスとブロードバンドに完全対応した」(新宅氏)

 ブロードバンド時代のデータベース製品として必要な機能として同氏は,コンテンツ管理とその配信機能の必要性を強調。「企業データは,テキストだけでなく,マルチメディアデータへと拡大している」と話した。このマルチメディアデータはさらに,ERPやSCM,CRMのような基幹業務アプリでも重要となり,PCをはじめ,携帯電話やPDAなど,さまざまなデバイスから利用できることが必要と加えた。

「Oracle9iでは,こうした機能をすべて搭載している。まさしく完全なE-ビジネスプラットフォームと呼ぶにふさわしい製品だ」(新宅氏)

パートナーの強力な援護

 その後,新宅氏は,Oracle9iDBのベータ版の先行ユーザーをビデオで紹介。Oracle9iが,既にリアルE-ビジネスでも有効であることを印象付けた。

 ビデオに登場したのは,三菱銀行,NTTドコモ,スクェア,パナソニックデジタルネットワークサーブの4社。4社は,それぞれの分野で,Oracle9iにどれほど期待し,それに応えてくれているかをビデオで話している。

 4社の取り組みは,以下の通りだ。

・三菱銀行:現在,80万ユーザーが利用するインターネットを活用した「ダイレクトバンキング」だけでなく,基幹系システムの一部が,既にOracleデータベースで稼動しているという。Oracle9iの,いつでも,どこからでも24時間利用でき,高い信頼性を実現できる機能に期待している。

・NTTドコモ:現在,3500万ユーザーに,携帯電話やPHSサービスなどを提供するドコモでは,顧客管理システム「アラジン」でOracleデータベースを活用。Oracle9iDBでは,Real Application Cluster機能により,グローバル化,マルチメディア化など,ビジネスの幅をシステムに依存することなく広げることができることに期待している。

・スクウェア:インターネットのWebサイトでさまざまな情報やサービスを展開するスクウェアでは,インターネットという予測不能なリクエストが発生する可能性のあるサービスでOracle9iの機能を評価。同製品の高い拡張性,信頼性,可用性により,安全なインターネットサービスの提供が可能になることに期待している。

・パナソニックデジタルネットワークサーブ:ブロードバンド対応の統合型デジタルコンテンツ制作管理システム「BiAMS」サービスでOracleデータベースを活用。Oracle9iDBの登場により,コンテンツの作成だけでなく,管理,配信で高い信頼性やパフォーマンスを実現し,コンテンツ管理をさらに効果的にしてくれることを期待している。

「われわれは,この完全なE-ビジネスプラットフォームであるOracle9iDB製品を提供するだけでなく,今後もパートナーやユーザーと協力し,よりよいサポート環境を提供していくことも強力にコミットする」(新宅氏)

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[山下竜大 ,ITmedia]