.Netをけん制するサンCTOのパパドプラス氏

【国内記事】2001.11.29

 パシフィコ横浜で開催されているJavaOne 2001 Japanの2日目,キーノートに登場したサン・CTOのグレッグ・パパドプラス氏が,プレス向けのQ&Aセッションに姿を見せた。キーノートと同様に,今後のWebサービスの台頭を強調した同氏は,自らマイクロソフトの.Netについて触れ,マイクロソフトをけん制した。

 セッションの冒頭,パパドプラス氏は,Webサービスへの選択肢について「Sun Oneと.Netに絞られた」と話す。

 また同氏は,「.NetでWebサービスを構築する場合,すべてをマイクロソフト製品にしなくてはならない」とオープン性でサンが勝ると強調する。

 一方,そのオープン性にもかかわるが,Webサービスにおける開発言語サポートについて聞いた。

 .Netが開発ツール「Visual Studio .Net」においてカバーする言語は,中心となるC#や,C++,VB,Pascalなど20を超える。サポートする開発言語の多様性という意味では,マイクロソフトの方がオープンとも言える状況になっている。

 パパドプラス氏は,「(20を超える)とは言っても古い言語ばかり」と話し,Javaの可能性を考えれば優位性は変わらないとしたが,ここでは少し苦しそうだった。

 これについて,マイクロソフトは10月に,「Visual J#.Net」によってJavaもサポートすることを明らかにしている。機能が制限されているため,Javaを開発したサンとのライセンスの問題は回避できるようだ。しかし,サンは,「Visual J#.Netを使えばマイクロソフトの囲い込み作戦に引っかかることになる」として,Javaプログラマーに警告を発したと言われている。

 また,Sun ONE,.Netを問わず,XMLやSOAP,UDDIといった標準技術の成熟も考慮する中で,Webサービスが本格的な実用段階に入る時期について,同氏は,「1〜3年かかる。5年後にはWebサービスはレガシーシステムになり,また新しい技術が登場しているだろう」と話した。

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関連リンク

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▼サンマイクロシステムズ

[怒賀新也 ,ITmedia]