OOW 2001 San Francisco基調講演:探し求めたOracle9i JDeveloperという聖杯
【海外記事】 | 2001.12.05 |
12月5日,「Oracle OpenWorld 2001」のキーノートに,オラクルの製品/サービスのマーケティングを担当するジェレミー・バートン上級副社長が登場し,同日発表されたJava統合開発環境「Oracle9i JDeveloper」(JDeveloper9i)を披露した。
「JDeveloper9iこそホーリーグレイル」とバートン氏 |
オラクルがボーランドからのライセンスを打ち切り,9iブランドを冠した開発ツールとしてリリースしたJDeveloper9iは,Webサービス対応のアプリケーションをプログラムレスで構築できる統合開発環境。J2EE,XML,そしてSQLをサポートし,WSDLやSOAPクライアントを自動生成できるほか,UMLにも対応する。
バートン氏は,「コードをバックグラウンドで生成するため,プログラミングの必要がなくなる。デザインから構築,テスト,運用というライフサイクルをすべてサポートできる」と話す。
同製品は,OTN(Oracle Technology Network)から無料でダウンロードできる。約50Mバイトのサイズは,「IBMの開発環境と比べれば6分の1」(同氏)。また,デバッグスピードもIBMの3倍速いという。
今回の講演では,JDeveloper9iをダウンロードしてから「Companion Relationship Management」なる出会いサイトを構築する過程がデモされた。9月に日本で開催されたiDevelopでも同様のデモが行われており,「相手を検索すると妻の顔を見つけてビックリ」というお決まりのジョークも「アップグレードされたデモ」に引き継がれている。
英国出身の同氏は,英国のコメディーグループ,モンティ・パイソンの初の長編映画「モンティ・パイソン・アンド・ホーリーグレイル」のパロディー調に講演をすすめる。最後に,このサイトに,Webサービス機能を実装させたバートン氏は,「JDeveloper9iこそ探し求めたホーリーグレイル(イエス・キリストが最後の晩餐で使った聖杯)だ!」と,例えばビッグブルーの騎士が登場するなど,IBMやマイクロソフトを悪役に見立てた講演を締めた。
なお,この日のデモでは,マイクロソフトのVisual Studio .Netのインストール作業が並行して進められた。JDeveloperは,短時間でダウンロードしてすぐ使えるのに対して,Visual Studio .Netは,「CD-ROMでなく,DVDパッケージに入っている」(同氏)。1時間を若干オーバーしてバートン氏が講演を終えたとき,Visual Studio .Netは,まだインストール中だった……。
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[井津元由比古 ,ITmedia]