インテルは昨年5月,Xeonと64ビットのItanium(アイテニアム)といったハイエンドサーバ向けプロセッサを相次いでリリースした。同社が1971年11月15日に世界初のマイクロプロセッサ「4004」を発表してから30年。当時は4ビットだったマイクロプロセッサも,64ビットまで進化した。エンタープライズ分野を統括する佐藤宣行e-マーケティング本部長にインテルにとっての2002年について聞いた。
ZDNet 2001年を振り返って,インテルにとって重要だった出来事は何でしたか?
佐藤 5月に64ビットプロセッサのItaniumを正式にアナウンスしたことです。1971年の11月に4ビットの「4004」を出して以来30年目に,64ビットのプロセッサを出荷したことを非常に感慨深く思っています。

「Cost is Kingの時代,IAサーバにとって不況は追い風」と話す佐藤氏
ZDNet 昔と今のインテルを比べてどう感じますか?
佐藤 コンピューティングの世界において,インテルが現在のように重要な役割を担うようになるとは当時は想像できませんでした。また,'85年ころに扱っていた「286」「386」の時代もそうでしたが,かつてはハードウェアのパワーが足りない時代でしたね。現在では,もうプロセッサの性能向上は必要ないという声もありますが,速いハードウェアは,それに見合う性能の高いソフトウェアの開発をリードするためにも重要と考えます。
ZDNet エンタープライズについて,2001年はどうでしたか?
佐藤 IAベースの製品を企業のバックエンドやミッドエンドシステムとして使ってもらう大々的な活動を社内的に推進しました。アサヒビールや安田火災海上保険などのユーザーに利用してもらいました。コスト面の優位性をアピールし,成功すればグループ企業を含めて,雪だるま式にユーザーを増やすことができることがメリットです。
ZDNet これまで「コストよりも性能」という考え方もあったエンタープライズ市場ですが,今後はこれまで以上にコストが重視されるようになりますか?
佐藤 企業システムでも「Cost is King」という考え方が強くなっています。インテルが11月に開催した「Board of Advisery」でも,12社中7社が「サーバ選定に今年からコストを一番重視するようになった」と答えています。コスト面で優位性を持つIAサーバにとって,不景気はむしろ追い風になっています。
このBoard of Adviseryでは,製造業や自動車,金融など,業界ごとの代表的なユーザー企業のCIOを中心に,丸一日集まってもらっています。デスクトップやサーバ,ソリューションについて,朝から夜遅くまで,ユーザーとずっと一緒に過ごし,彼らの本音を聞くことができます。参加ユーザー企業には,IAおよびRISCのユーザーが混在しています。
[聞き手:怒賀新也 ,ITmedia]
