アドビ,Acrobatによる電子政府ソリューションを売り込む
【国内記事】 | 2002.2.18 |
DTPとWebパブリッシングを牽引してきたアドビシステムズが,電子政府をきっかけに到来する第3の波「ネットワークパブリッシング」に乗るべく,「e-Paperソリューション」を打ち出している。
2月18日,アドビは都内のオフィスで「Acrobat/Adobe PDF」に関する記者向けのブリーフィングを行った。日本法人の代表取締役を務める石井幹副社長は,「政府の電子化は2003年までに,と期限が決められている。既存の申請書がそのまま使え,電子署名でも各種PKIと連携できるAdobe PDFが,差し迫った政府の電子化のソリューションとして支持されている」と話す。
Acrobatのビジネスは現在同社の売り上げの25%だが,年率45%と最も成長している分野だという。
アドビのAcrobatでは,既存の申請書をスキャナーで取り込み,入力フィールドを定義,あとはデータベースとマッピングするだけで申請書の電子化が図れる。バックエンドのデータベースとのインタフェースもXMLはもちろん,SQLやODBCに対応している。
中央省庁ではバックエンドのデータベースはXMLベースで構築する方向だ。しかし,フロントエンドに関しても,XML+スタイルシートというソリューションでは時間的な制約からも厳しいという。ちなみに電子政府構想では,1万1000近い申請書のうち1万以上を電子化することを目標に掲げている。
現在,官報がPDFで電子化されて配信されているほか,国土交通省への報告書がPDFで受け付けられているという。アドビによると,明記こそされていないが,ほとんどの中央省庁で幅広くAcrobatが導入されており,また各都道府県レベルでも文書の公開に47都道府県が導入,申請書をPDFでダウンロードできる都道府県は46に達しているという。
なお,無償で配布されているAcrobat Readerでは,必要事項を入力したフォームを保存できなかったり,電子署名できなかったりするが,保存機能付きのAcrobat Readerを用意したり,ライセンス料金を行政サイドが負担するような新しい仕組みをアドビでは検討しているという。
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[浅井英二 ,ITmedia]