BEA eWorld 2002 Keynote:「変革の時は今!」を訴えたBEAのアルフレッド・チャンCEO

【海外記事】2002.2.25

 米BEAシステムズは2月25日,カリフォルニア州サンディエゴのサンディエゴコンベンションセンターで,第7回目となる「BEA eWorld 2002」を開幕した。2001年10月の同社CEO(最高経営責任者)就任後,初めての大舞台に登場したアルフレッド・チャン氏は,BEAがアプリケーションサーバベンダーからアプリケーションインフラベンダーに変革するための同社の新しい戦略について熱く語った。

MV AGUSTAの「F4S」で登場したアルフレッド・チャンCEO

 毎回,趣向を凝らした講演で,来場者を楽しませるチャン氏は,(自前の?)1997年に復活を遂げた名門バイクメーカーであるMV AGUSTAの「F4S」で登場。2輪,4輪に関わらず,同氏の車好きはBEA社内でも有名で,Webサービスを紹介するデモでは,(これまた自前の?)フォード・マスタングもビデオで登場させた。

エンタープライズへの挑戦

 チャン氏は,「企業がITを利用して,ビジネスにおける競争力を得るためには,高い生産性と効果的な拡張性を有する新しい統合されたインフラを選択することが重要」とし,「アプリケーションインフラストラクチャに必要な条件は,完全に統合されており,さらに単純化されたものでなければならない」と言う。

「変革の時は今!」と話すBEAのアルフレッド・チャンCEO

「既に,アプリケーションサーバの時代ではない。変革の時は今だ。BEAは,アプリケーションサーバベンダーからアプリケーションインフラベンダーにステップアップする。ライバルたちがわれわれに追いつくのは至難の技だろう」(チャン氏)

 そこで登場したのが,今後BEAの主力となるアプリケーションインフラ製品「BEA WebLogic Platform 7.0」という。

 BEA WebLogic Platform 7.0は,同じく発表されたアプリケーションサーバ製品の最新バージョン「BEA WebLogic Server 7.0」および開発コード名「Cajun」(ケイジャン)と呼ばれていたWebサービスモデリングツールの「BEA WebLogic Workshop」および「BEA WebLogic Integrator 7.0」「BEA WebLogic Portal 7.0」で構成される統合スイート。各製品ともに,2002年前半のリリースを予定している。

 単に,製品をパッケージしただけでなく,J2EE 1.3やWebサービスに対応し,新しいセキュリティフレームワークを搭載,パフォーマンス,生産性,使いやすさを向上させたBEA WebLogic Server 7.0を中核に,アプリケーションインフラとして完全に統合されており,容易な使い勝手と柔軟な拡張性を実現した統合スイート製品という。

BEA WebLogic Workshopで言葉の壁を越えたWebサービスの実現が容易に

 また,BEA WebLogic Workshopは,J2EEアプリケーションはもちろん,Visual BasicやDelphiなどのビジュアル開発ツール,COBOLやFortranなどの高級言語を利用する開発者にも,エンタープライズレベルのWebサービスを迅速に構築することを可能にする。「さまざまな言語を利用する開発者に,Cajunは言語の壁を越える統合的なフレームワークを提供する」とチャン氏は言う。現在,同製品は,BEAのWebサイトからベータ版がダウンロードできる。

「WebLogic Platformは,他社の製品のようにバラバラの製品を寄せ集めただけのものとは大きく異なる」(チャン氏)

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▼BEAシステムズ

[山下竜大,ITmedia]