大日本印刷など8社,工場系MROの電子カタログ事業見込みコンソーシアム設立
【国内記事】 | 2002.3.05 |
大日本印刷をはじめとするITベンダー8社は3月5日,企業間(B2B)電子商取引向けの電子カタログ事業を企画するコンソーシアム「日本B2Bコンテンツコンソーシアム」を3月11日に設立すると発表した。6カ月の活動期間を経て,事業化したい考えだ。
同コンソーシアムは,大日本印刷が代表となり,SAPジャパン,NTTデータ,コンパックコンピュータ,サン・マイクロシステムズ,日本アイ・ビー・エム,日本ユニシス,富士通から構成される理事会社によって運営される。
大日本印刷は2001年10月19日,NTTデータなど6社でオフィスMRO分野向け電子カタログコンテンツ管理を手掛けるリアライズを設立していた。今回設立が発表されたコンソーシアムでは,工場(製造部門)および研究開発部門のMRO電子調達に特化したコンテンツ提供を目指す。
具体的には,工場で使われる工具,装置,保安資材,プロセス消耗品,補修部材など約20万点,および研究開発部門が必要とする測定装置,実験器具,試薬,備品など約80万点の分類とデータ標準化を手掛けると共に,B2Bシステムを支える電子カタログデータベース事業の可能性を探ることになる。
Ariba Buyerユーザーであるソニーが代表を務める電子購買コンソーシアムも,製品データやXMLフォーマット,ビジネスプロセスの標準化作業を手掛けるほか,カタログ収集などの活動も行っている。ただし,これはAriba Supplier Network(ASN:旧ACSN)を円滑に運営するためという色合いが強く,オフィスMROが中心だ。
これに対して,今回設立されたコンソーシアムは,「コンテンツ販売で儲かるか」を検討するものだ。同コンソーシアムが事業化した場合,アリバを含めたソフトウェアベンダー,e-マーケットプレイスおよびユーザー企業に販売する中立的なコンテンツプロバイダーになる。
さらに,同コンソーシアムが手掛ける分野には,かなりのスケースメリットが期待できるという。大日本印刷の商印事業部でEソリューション営業開発部長を務める長丁光則は,「工場と研究開発部門は,オフィスMROの10〜50倍のMROを購入している。さらに,製薬・化学業界なら100倍以上」と話す。
「紙カタログを第1世代とすると,電子化の第一歩となったCD-ROM化が第2世代,Webサイト上に掲載するWebカタログが第3世代,そしてB2B商取引に対応できる電子カタログは第4世代と言える。単なるカタログというより,データベース/ライブラリとして提供し,SCMや調達システムと直接リンクするための仕組みが必要だ」(同氏)
同コンソーシアムでは,各種仕様に合わせてコンテンツ提供できるよう,柔軟なフォーマットでデータを蓄積する方向で,事業化後,特殊な試薬などについては海外で既にあるものを購入することも計画しているという。
現在参加を表明している理事会社8社のほか,i2テクノロジーズ・ジャパン,日立製作所,ビーコンIT,リアライズが賛助会員として加わる。コンソーシアム設立後,有力なサプライヤーや電子調達の最新情報を知りたいバイヤーも賛助会員,一般会員として募集する。
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[井津元由比古 ,ITmedia]