IBM BB Access構想,狙いは「クチコミで顧客のハートをつかめ」

【国内記事】2002.3.06

 日本アイ・ビー・エムは3月6日,同社が先月下旬に明らかにした「IBM BB Access」構想に基づいて稼動を始めた箱崎事業所内の新施設を報道陣に公開した。

 IBM BB Accessは,ブロードバンドによって顧客やパートナーらとのコミュニケーションを密にし,B2Bマーケティングにつなげていく戦略や施策の総称。マーケティングを統括する堀田一芙常務は,「顧客を引き付けるキーは“経験”やそれに基づく“クチコミ”。それをブロードバンドネットワークで加速したい」と話す。

 この日は,同構想の第一弾として,顧客が訪れる施設が公開された。製品の情報を発信していく「e-ビジネスソフトウェアスタジオ」と「eServer/ストレージスタジオ」,e-ビジネスのコンサルティングやワークショップを行う「イノベーションセンター」などだ。それぞれ100Mbpsのインターネット接続環境が構築されているほか,1FのAVルームやイベントスペースではワイヤレスLANも使える。

 箱崎事業所には8000人のスペシャリストが働いており,彼らの持つ知識,経験,ノウハウをブロードバンドを介して活用するほか,顧客にそうしたe-ビジネスソリューションを実際に体験してもらうのが狙いだ。例えば,セミナーやミーティング中に解決できない問題があっても,Lotus Sametimeなどを活用し,専門家のバックアップをその場で受けることができるようになる。

 さらに,IBM BB Access構想の第2弾としては,ブロードバンド接続を顧客やビジネスパートナーらにも拡大し,e-コラボレーションを加速させたいとしている。そうなれば,箱崎事業所で開催されるセミナーに顧客やパートナーが遠隔地から参加できるようになる。

 2001年1月のLotusphereで,ロータスのアル・ゾラー社長兼CEO(当時)は,企業にとって欠かせない要素として「スピード,俊敏さ,そしてそれらを加速させるノウハウの共有」を挙げている。GEに代表されるようなグローバルな企業がSametimeの導入を図っているが,IBM自身もロータスのコラボレーション製品を活用し,顧客とのコミュニケーションを変革しようとしている。

「かつてワンツーワン・マーケティングが喧伝されたが,今やブロードバンドを活用し,リアルタイムで双方向にコミュニケーションする時代だ」と堀田氏は話す。

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▼日本IBM

[浅井英二 ,ITmedia]