HP自慢のItaniumファミリー向けチップセット「zx1」
【国内記事】 | 2002.3.14 |
日本ヒューレット・パッカード(HP)は3月14日,64ビットプロセッサのItaniumファミリーの第2世代となるMckinley向けチップセット「zx1」を公開した。同製品は,2月下旬にサンフランシスコで行われた「Intel Developer Forum」で発表されている。競争が激化するIAサーバ向けチップセット市場において,zx1は,32ビットのXeonベースのサーバに押される64ビット市場を盛り上げられるかが注目される。
紹介されたzx1 |
来日した米HPのビジネスプランニング担当マネジャー,ダン・ノードヒューズ氏は,「Itaniumファミリーで,HPとインテルは技術を持ち寄って共同開発した。両者にとって相互に良いパートナー関係」と話す。RISCプロセッサの後継技術がほしかったHPと,RISCで培ったHPの技術資産をベースにItaniumを開発することを目指すインテルの利害が一致したわけだ。
ちなみに,インテルは昨日,ハイエンドの32ビットサーバ向けプロセッサとして,Xeon MPを投入している。32ビット分野におけるチップセットについて,インテルは,1Wayから4Wayまでは,サーバワークスなどのOEM製品とともに,自社製品も投入している。しかし,8Way以上については今後もOEM製品だけで対応する。これは,インテルの戦略が基本的に,ボリュームレンジの製品として量産できるかどうかを基準にしているからと言える。
一方,そのインテルは,64ビットのItaniumファミリーとしては,現状のItaniumから1.5〜2倍にパフォーマンスが向上するというMckinleyを2002年半ばに出荷する予定だ。64ビット用チップセットの分野では,インテルは,4Wayまでは「460GX」「870」などを投入し,8Way以上でも今後自社のチップセットを出す予定になっている。この日紹介されたzx1は,4Wayまでの市場に投入されることになる。
紹介されたzx1は,McKinleyの1〜4Wayまでを対象とするSMP(Symmetric Multiple Processor)構成となっており,最大で256Gバイトのメモリを搭載できるチップセット
チップセットとは,マザーボード上で,CPU,メモリ,ネットワークやストレージといったI/Oの真ん中に置かれ,それぞれを相互につなぐ製品。そのため,チップセットの性能はシステム全体のパフォーマンスを左右する。
zx1は,メモリのバンド幅やレイテンシ(データのリクエストからデータが転送されるまでの遅延時間)に優れるという。また,PCIとPCI-X,3Dグラフィックの経路となるAGP 4xをサポートするが,インテルが推進しているInfiniBandにはまだ対応していないという。
ダン・ノードヒューズマネジャー |
ノードヒューズ氏は,64ビットのItaniumファミリーについて,「32ビットサーバは,4Gバイトというメモリの制限があり,もうパフォーマンスに限界が見えている」とする。さらに,「64ビットプロセッサはまだ初期段階。今後も継続してパフォーマンスが上がっていく」として,32ビットサーバの4000倍とも言われるメモリ空間を持つ,64ビットサーバの将来性に触れた。
関連記事
Interview:高まるIAサーバのRAS機能,デルのサーバ設計者に聞く
関連トピックス
Intel Developer Forum 2002 Springレポート
関連リンク
[怒賀新也 ,ITmedia]