盟友オラクルと情報へのパッションを共有するEMC

【海外記事】2002.4.09

「オラクルとは情報に対するパッションを共有している」と話すEMCの社長兼CEO,ジョー・トゥッチ氏が4月9日,2日目を迎えたOracle AppsWorld 2002 San Diegoにキーノートスピーカーとして登場した。

 オラクルとEMCは,エンタープライズストレージや遠隔地間のバックアップソリューションである「SRDF」を皮切りに,1995年から互いに情報管理の「自動化」や「Unbreakable」(EMCでは“ビジネスの継続性”)というゴールを掲げて取り組んできた。

「経済は不透明なままだが,ネットワークの帯域は拡大し,ストレージは膨れ上がっている。(9.l1以降)電子メールといえども,ビジネスを継続するうえではミッションクリティカルなアプリケーションになっている」とトゥッチ氏。

ラトガース会長を引き継いでEMCの舵を取るトゥッチCEO

 1970年代にプログラミングを始めたというトゥッチ氏は,「100Mバイトもあれば天にも昇るような気持ちだった」と笑った。それが今はペタバイトの時代だ。

「ムーアの法則ではCPUパワーが18カ月で倍増するが,ストレージはそれを上回る12カ月だ」(トゥッチ氏)

 EMCは,1995年のエンタープライズストレージで1人の管理者が管理できる容量を1テラバイトまで引き上げたが,それでは幾ら管理者がいても足りない。同社は昨年,「AutoIS」(Automated Information Storage)を掲げ,1人で管理できるストレージを数百テラバイトまで押し上げようとしている。

「ITの8割の仕事はメンテナンスに費やされる。ばらばらのストレージを統合し,IBMやコンパックの製品も管理できるようにすれば,ITはもっと利益をもたらす仕事にフォーカスできる」(トゥッチ氏)

 オラクルは電子メールのストレージをEMCで統合し,3000万ドルを節約したという。一方,EMCも昨年10月,E-Business Suiteをシングルインスタンスで稼動させている。

 AutoISでは,「WideSky」と呼ぶ共通APIを提唱しており,これを利用するモニタリングやバックアップのアプリケーションであれば,主要なベンダーのストレージをまとめて管理できる世界をつくろうとしている。もちろんオラクルもWideSkyのパートナーに名を連ねている。

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[浅井英二 ,ITmedia]