日本オラクル,「Oracle9i RAC」をキックオフ
【国内記事】 | 2002.4.18 |
日本オラクルは4月18日,都内のホテルでパートナー向けセミナーを開催した。「春の陣」と銘打たれた恒例のセミナーでは,拡張性と可用性を備えたOralce9i Real Application Clusters(Oracle9i RAC)がメインのテーマとして取り上げられ,事実上の「Oracle9i RAC決起大会」となった。
日本オラクルの新宅正明社長は,「価格の引き下げを実施し,基本性能もライバル製品を寄せ付けないOracle9iだが,RACでさらなるトータルコストが削減できる」と話した。
新宅氏は,IT投資を積極的に行い,その業務の効率化を進めてきた企業も,実際には問題を抱えたままだとする。
「技術はバラバラ,データもデータセンターごとに分断され,ビジネスプロセスは事業部単位で異なったりする」(新宅氏)
オラクルが基幹システムのグローバル統合を進めていることはしばしば紹介されてきた。従来,4万3000人の社員が70のインスタンスで日々の業務を処理してきたが,現在その数は7まで削減され,7月には3つとなる。その過程では,データセンターやサーバの物理的な統合から,データ統合やビジネスプロセスの見直しと統一などが図られ,コスト削減やタイムリーで一貫性のある情報の提供などが実現されているという。
「グローバルでシングルインスタンスが実現されるようになれば,必然的にシステムは大規模になる」とし,新宅氏は無限のスケーラビリティを誇るOracle9i RACを売り込む。
実際,中国に50近いの拠点を展開する日本のメーカーが,シングルインスタンス化を検討しているという。
「彼らが狙っているのはデータセンターの統合だけではない。プロセスの見直しと統合まで模索している。かつて日本ではERPは成功しないと言われたが,現状はどうでしょう。グローバル統合のインフラを提供し,社会全体の効率を高めていくのがわれわれの使命だ」(新宅氏)
Oracle9i RACは,複数のノードでストレージを共有するクラスタ技術を採用しており,ノード追加によるほぼリニアな拡張性と障害が発生してもほかのノードに引き継がれる高い可用性を実現する。
日本でも昨年11月から出荷が始まっていたが,ここへきて新日鉄ソリューションズ,コンパックコンピュータといったパートナーらが相次いでRACに特化したソリューションセンターを開設している。
この日のセミナーには,NECソリューションズの川村敏郎副社長も出席し,同社が掲げる「オープンミッションクリティカル」の基盤としてOracle9i RACを採用していくことを明らかにした。
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[浅井英二 ,ITmedia]