caworld 2002 Keynote:第一線を退いても影響力の衰えない2人の「ニューヨーカー」
| 【海外記事】 | 2002.4.22 |
米コンピュータ・アソシエイツ・インターナショナル(CA)がフロリダ州オーランドで開催している「caworld 2002」2日目の4月22日,夕刻に開演されたゲスト基調講演にルドルフ・W・ジュリアーニ,前ニューヨーク市長が登場。CAの世代交代を自ら宣言し,今回全く姿を見せなかったCAのチャールズ・B・ウォン会長が,ついにホスト役としてcaworldに登場した。
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| ついに「caworld 2002」に登場した米CAのチャールズ・B・ウォン会長 |
ウォン氏は,昨年の「caworld 2001」で,CA創立25周年を記念して会社の経営を現CEO(最高経営責任者)であるサンジェイ・クマー氏に引き継ぐことを明らかにしている。世代交代を自ら宣言した同氏は,その約束を守るかのように,今回のcaworldには全く姿を見せなかった。
しかし本社が同じニューヨークにあることから親交の深いジュリアーニ氏の登場と有り,進んでホスト役を買って出たようだ。しかし,それでもやはり「caworldにようこそ」と簡単な挨拶をしただけで,ジュリアーニ氏を紹介した。
実は,caworldでのジュリアーニ氏の講演ということで,9月11日に起きた同時多発テロ後のITシステムリカバリの話を期待したのだが,見事に期待は裏切られてしまった。CAは,テロ後のITシステムリカバリで,多大な貢献を行ったという話も新聞などに出ているが,その話では,余りに宣伝くさいとウォン氏が判断したのかもしれない。
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| ルドルフ・W・ジュリアーニ,前ニューヨーク市長 |
ジュリアーニ氏の話のテーマは,「リーダーシップのための5つ資質」だ。同氏は,政治の世界にせよ,IT業界にせよ,リーダーに求められる資質は5つと話す。
まず1つ目が,「リーダーは哲学(信念)を持つこと」だ。リーダーは,常に方向性を示すことが必要という。同氏は,「昔,レーガン元大統領と仕事をしたことがあったが意見は合わなかった(笑)。しかし,彼の信念だけは理解することができ,それには付いて行こうと考えた」と話している。
続いて2つ目が,「リーダーは,勇気を持つこと」だ。ジュリアーニ氏は,同時多発テロで亡くなった343名の消防士を例に挙げ,「彼らも人間,恐怖心はあったはずだ。しかし彼らは,勇気をもって現場に飛び込んでいった」と言う。
「経営者の皆さんは,彼らと同じ勇気を持って意思決定をしてほしい」(ジュリアーニ氏)
3つ目が,「常に準備をすること」だ。リーダーは,あらゆる状況に備え,常に準備し,リサーチし,学習しなければならないという。その場かぎりの場当たり的な対応は必ず失敗するとしている。4つ目が,「チームワークを持つこと」だ。1人でできることは限られている。自分の強みと弱みを理解して,弱みをチームで補うことが必要という。そして5つ目が,「コミュニケーションを持つこと」と締めくくった。
[山下竜大 ,ITmedia]


