エンタープライズ:トピックス 2002年5月14日更新

Linux Column:OSの違いの境界線が曖昧になっていくと……

 ほとんど趣味に近いが,また1台PCを自作した。今度は,AMDのAthlon XPを2つ搭載したSMPマシンだ(本当はAthlon XPはマルチプロセッサをサポートしていないのだが,動いてしまう)。考えてみれば,こんな贅沢な構成のマシンを秋葉原をぶらつくだけで手に入れることができるようになったとは,いい時代になったものだ。

 しかしなぜSMPマシンかというと,VMwareを使いたかったからだ。正確にはVMware 2.0は使っているので,新しいVMware 3.1のパフォーマンスを見てみたかったのである。

「新しい酒には新しい皮袋」ではないが,新しいバージョンには新しいSMPマシンで臨みたいというわけだ。つまり,今この原稿を書いているのはPentium 3のSMPマシンということである(笑)。

 実はまだ,新しいSMPマシンは流用したビデオカードのおかげでWindows 2000がインストールできず,VMware 3.1を動作させるところまで辿り着いてはいない。とりあえずRed Hat Linuxのインストールが終わって,きちんとSMPとして認識して動作しているというのが現状。新しいVMwareをほかのマシンで動作させたところ,前のバージョンよりもかなり軽快に動作したので,大いに期待したい。

 しかし,仮想マシンというのは不思議なものだ。1台のマシンで別々のOSが同時に動く。OSというのはハードウェアをコントロールするという一般的な定義からすると,何やらおかしな感じもするが,まぁ,便利なものだからいいだろう。

 SMPマシンが低価格化したり,インテルのHyperThreadingのように1つのCPUで擬似的にSMPが使えるようになってくると仮想マシンの活躍するようになってくるだろう。今でも先進的な技術者は自分のマシンに仮想マシンをインストールして同時マルチOSで利用しているが,徐々に一般のユーザーも,アプリケーションを切り替えるのと同じようにOSを切り替えるようになっていくのかもしれない。

 そうやってOSの違いの境界線が曖昧になっていけば,徐々に,徐々にではあろうが,安定したプラットホームとしてのLinux,アプリケーション実行環境としてのWindowsなんてことにも,なっていくのかもしれない。

 仮想マシンは,まだまだグラフィック周りなどに怪しいところはあるものの,かなり使えるようになってきている。最近面白いことがないな,と思っている向きは是非とも試してみて欲しい。

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▼VMware Conferenceレポート

[宮原 徹びぎねっと]