エンタープライズ:トピックス 2002年6月12日更新

WebSphere 2002 Tokyoで明日開催の「1日で極めるWebサービス」は必見もの

 日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は6月12日、都内ホテルで開催している「WebSphere 2002 Tokyo」で、明日6月13日に丸一日(10時〜17時)かけて開催される「日本のデベロッパーに贈る“1日で極めるWebサービス”」(セッション番号:S-1)の概要について記者向けに紹介するセミナーを開催した。

 同セッションでは、「Webサービスとは何か」という基本的な内容からSOAP、WSDL、UDDIなどの標準技術動向、どんなメリットがあり、どのように実装していけばよいかなど、より具体的、実践的なWebサービスの情報が紹介される予定という。今話題の「Webサービス」をもう一度最初から体系的に理解したいシステム担当者にとって必見のセッションになるだろう。

 Webサービスは、J2EE(Java 2 Enterprise Edition)やXMLをベースに、SOAP(Simple Object Access Protocol)、UDDI(Universal Description, Discovery and Integration)、WSDL(Web Services Description Language)などの技術を利用して、インターネット上でサービスやアプリケーションをダイナミックに連携する仕組みを提供する。

 具体的には、「電話帳(UDDI)で番号(サービス)を確認し、専用の書式に書いた手紙(WSDL)を、荷物(XMLデータ)に添付して、専門のロジスティックス業者(SOAP)に配達してもらう仕組み」と考えれば分かりやすいだろうか?

 このWebサービスを企業システムに取り入れることで、例えばEDIのように取引先ごとに専用のシステムを構築することなく、これまで取引がなかった会社でもWebサービスが導入されていれば、インターネットを経由したサービスのやり取りが短期間でプラットフォームに依存することなく実現できるようになる。

Webサービス導入の3ステップ

 日本IBMでは、このWebサービスを実際に導入する場合、3つのステップで考えているという。容易な接続性の実現、ビジネスプロセス管理の導入、本格的なダイナミックe-ビジネスの実現の3つだ。

 まず最初のステップである容易な接続性の実現では、リクエスト/レスポンス型のシンプルなWebサービスを実現する。これは、1つの問い合わせに対し、1つの結果が返ってくるというシンプルなトランザクション処理を対象とするものだ。基本的には、SOAPとWSDLだけで実現できるWebサービスと言い換えることもできる。

 明日のセッションでは、日本IBM箱崎事業所のメインフレームで稼動するCICSアプリケーションをJavaでラッピングし、Webサービスを利用して会場からアクセスするデモも紹介される予定という。

 2つ目のステップでは処理がもう少し複雑になり、幾つかのリクエスト/レスポンス型のトランザクションが組み合わせれて1つのプロセスを形成することで処理を完結させる仕組みがWebサービス上で実現されることになる。このとき、プロセスを管理するための仕組みも提供される。SOAP、WSDLに加え、UDDIの検索など、1つの問い合わせに対し、幾つかのプロセスを経て結果を導き出すWebサービスになるという。

 3つ目のステップでは、サービスブローカーという仕組みが導入されることにより、さらに複雑なビジネスプロセスの統合が実現できるWebサービスになる。サービスブローカーは、1つのリクエストに対し、必要なすべてのサービスをネットワーク上から自動的に見つけ出し、最適な情報提供が可能なダイナミックなWebサービスを実現することができるという。

Webサービスは万能薬なのか?

 しかし、この3つ目のステップを実現するためには、まだまだ解決すべき問題は多い。例えば、あるプロセスが正常に終了しなかった場合、既に終了したプロセスを元に戻すことが必要になる。例えば、銀行の振込み処理のように、振込み元の口座からはお金が引き落とされたが、何らかの事情で振込先に振り込めなかった場合、振込み元の口座にお金を戻さなければならない。

 また、UDDIで見つけ出したサービス事業者が、本当に信用できる企業なのかどうかも、現状では判断できない。このような課題を解決するための仕組みは現在、W3CやWS-I(Web Services Interoperability Organization)などのような標準化団体により標準化が行われている最中という。

 さらに、やはり気になるのが「J2EE vs .Net」の問題だろう。J2EEによるWebサービスと、マイクロソフトの.NetフレームワークによるXML Webサービスのどちらを選ぶかは、システムの担当者にとって大きな問題となっている。同セッションでは、この問題に対する考え方についても紹介される予定だ。

4ブランドでインテグレーションを推進

 日本IBMでは現在、「WebSphere」「DB2」「Lotus」「Tivoli」の4つのブランドによる「インテグレーション」に注力していく戦略を打ち出しており、そのインテグレーション戦略において、Webサービスは重要なポジションに位置付けられている。

 同社が推進するインテグレーションには、Webサービスによるアプリケーションレベルのインテグレーション(Application Integration)のほか、MQSeriseなどを利用したメッセージングベースのインテグレーション(Information Integration)や昨日発表されたCrossWorldsを利用したビジネスプロセスのインテグレーション(Process Integration)の3つがある。

 MQSeriseを利用したInformation Integrationでは、アプリケーション間にそれぞれメッセージを埋め込むことで柔軟で高速な連携を可能にするのに対し、CrossWorldsを利用したProcess Integrationでは、アダプタと呼ばれる汎用の接続プログラムやテンプレートを利用することで、容易に短期間でアプリケーションの連携を可能にする。

 ちなみにWebサービスは、単独でも、ほかのインテグレーションと組み合わせても利用することが可能という。日本IBMでは、顧客のインテグレーションに対するニーズにあわせ、それぞれの方法を使い分けていく計画という。

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関連リンク

▼日本アイ・ビー・エム

[山下竜大 ,ITmedia]