エンタープライズ:ニュース 2002/07/01 21:53:00 更新


サイベース、SQL Anywhere Studio 8日本語版を出荷

サイベースは7月2日、同社の主力製品であるモーバイル向け統合データベースパッケージの最新版「SQL Anywhere Studio 8」日本語版の出荷を開始する。

 サイベースは7月2日、同社の主力製品であるモーバイル向け統合データベースパッケージの最新版「SQL Anywhere Studio 8」日本語版の出荷を開始する。

 SQL Anywhere Studio 8は、昨年カリフォルニア州サンディエゴで開催されたTechWaveで発表された製品。前バージョンと比べてクエリ処理を6倍以上に向上させたというパフォーマンス強化が最大の特徴だ。

 米国では、サイベースの子会社であるアイエニウェア・ソリューションズが2001年12月にバージョン8.0の出荷を開始していたが、同バージョンは日本未出荷だった。これは、製品に対する要求水準の高い日本市場に投入するためで、今回出荷されるのは、多くのバグをフィックスし、安定したマイナーアップグレード版のバージョン8.0.1となる。

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マクドウェル氏(左)とラウニー氏

 アイエニウェア・ソリューションズで同製品の技術開発を担当したスティーブ・マクドウェル氏は、「クエリーの実行エンジンとオプティマイザーを大幅に修正し、機能向上させた。データベースのインデクシングストラクチャーも抜本的に改善したため、パフォーマンスに優れた製品に仕上がった」と話す。

 このように、大幅にアーキテクチャが変更された一方で、過去のバージョンのサポートも継続するという。同社のビジネスデベロップメントを担当するチャック・ラウニー氏は、「新バージョンは、バージョン4で構築されたデータベースまでさかのぼってサポートできる。バージョン4は、1993年に出荷された製品で、そこまでやるのはIT業界でも異例のはず」と話している。

 そのほか、定評あるモーバイルデバイスと基幹データベースの同期機能や、軽いアプリケーションながら大規模なデータ管理および大量トランザクション処理のサポート能力も増強されたほか、セキュリティ機能も強化された。

 サイベースでは、組み込み、モーバイル、およびワークグループ向けの3つの市場をターゲットとし、日本市場でグローバルの10%の売り上げを目指す。

 なお、同製品は、コアとなる「Adaptive Server Anywhere」をはじめ、モーバイルデバイス向けに超小型データベース作成できる「Ultra Light」、同期処理機能を提供する「Mobile Link」、データレプリケーションツール「SQL Remote」から構成される。Ultra Lightには、データベースの断片化解消機能や、クライアント上でのユーザー設定情報管理機能などが新たに実装されたという。

 対応プラットフォームは、Adaptive Server AnywhereがWindows 95/98/Me/NT/2000/XP/CE。Ultra LightがWindows 95/98/Me/NT/2000/XP/CE、Palm OS、Wind River VxWorks、DOS、Symbian EPOC(Java2)。同期に対応する基幹データベースは、サイベースのAdaptive Server Anywhere/Adaptive Server Enterpriseをはじめ、Oracle8i/9i、MS SQL Server 7/2000、IBM DB2 UDB 7.1。

 価格は、基本パッケージで9万2000円。追加クライアントが2万5300円となる。そのほかのオプションなどは、アイエニウェア・ソリューション事業部のWebサイトで紹介されている。

 アイエニウェア・ソリューション事業部では、今回の出荷を機に、OracleデータベースやMS SQL Serverを利用する企業に対し、リプレイスさせるべく、キャンペーンを展開することも計画している。

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[井津元由比古,ITmedia]