エンタープライズ:ニュース 2002/07/04 23:59:00 更新


「使い慣れた」Office XPでWebサービスを簡単に利用する

Tech・Ed 2002」は2日目に入り、テクニカルセッションが行われている。「Office XPを活用したXML Webサービスの実用」では、リッチクライアントであるOffice XPによってXML Webサービスを利用する方法が紹介された。

 パシフィコ横浜でマイクロソフトが開催している技術者向けイベント「Microsoft Tech・Ed Yokohama 2002」は2日目に入り、テクニカルセッションが次々と行われている。セッションの1つ「Office XPを活用したXML Webサービスの実用」では、ユーザーが使い慣れた既存のツール(リッチクライアント)によってXML Webサービスを利用するために、リッチクライアントがXML Webサービスに対応する必要性について触れられた。

 同社のシステムエンジニアリング本部のシニアSE、松崎正仁氏は、「見積書はExcel、報告書はWordというように、ユーザーは最終的にリッチクライアントを使いたがる」とする。同氏は、XML Webサービスに対応したリッチクライアントを「スマートクライアント」と呼んでいる。

 サーバ側でXML Webサービス化が進んだ場合でも、スマートクライアントがあれば、リッチクライアントの利便性をあきらめなくても済むという。

 同社はスマートクライアントとしてのOffice XP向けに、「Office XP Web Services Toolkit」をリリースしている。これにより、ユーザーはXML Webサービスの細かな仕様を知らなくても、VBA(Visual Basic for Applications)を使って簡単にコーディングできる。

 Office XP Web Services Toolkitを使う場合、同社のWebサイトから同ツールキットをダウンロードすることが第一歩となる。

 利用したいXML Webサービスを検索するためには、UDDIサーバに接続する必要がある。ここでは、Web Servicews Referencesツールを利用する。このツールは、キーワード検索やビジネスタイプ検索をサポートしたインタフェースが便利。また、WSDLの場所は、例えば社内システムのWebサービスのURLなどを手動で設定する。

 さらに、Webサービスにおける通信プロトコルであるSOAPをサポートするために、SOAP Toolkit 2.0/3.0ベースで、オブジェクトをラップするためのクラス「プロキシクラス」が必要になる。Office XPでWebサービスを利用する場合、プロパティやメソッドコーディングの自動補完といったインテリセンスもそのまま利用でき、通常のVBAクラスと同様に使用することができる。

 この日は、Office XPによるWebサービスの実務的な利用についても、シナリオ的な話も紹介されている。

 1つは、営業担当者が商品の見積もりや発注を行うためのアプリケーション。在庫管理システムのリアルタイム情報を提供するWebサービスと、一方、受発注システム側のリアルタイム情報を提供するWebサービスの2つが構築される。2つのWebサービス同士は相互に連携して、データの整合性を取っている。

 営業担当者は、ExcelやAccessなどのOffice XPのアプリケーションを操作して、この2つのWebサービスから、営業活動に必要となるリアルタイムの在庫情報の照会や、発注処理を行うことができるという。

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[怒賀新也,ITmedia]