エンタープライズ:ニュース | 2002/07/05 00:00:00 更新 |
VB6.0からVB .Netに移行する理由
Microsoft Tech・Ed Yokohama 2002では、VB6.0からVB.Netへの移行について解説したセッション「Visual Basic 6.0アプリケーションからVisual Basic .Netへ」が行われた。
パシフィコ横浜でマイクロソフトが開催している技術者向けイベント「Microsoft Tech・Ed Yokohama 2002」は2日目に入り、テクニカルセッションが行われている。ユーザー数の多い言語であるVisual Basicについては、VB6.0からVB.Netへの移行について解説したセッション「Visual Basic 6.0アプリケーションからVisual Basic .Netへ」が行われた。
講演を担当したNECのe-ラーニング事業部、山崎明子氏は、VB6とVB.Netを比較した場合の特徴について触れた。
開発生産性について、VB.NetではWebアプリケーションもWindowsアプリケーションと同様に簡単に作れることや、タスクリストやダイナミックヘルプなどの開発環境が改良されたことが紹介された。また、タイプセーフティが向上し、厳密なタイプチェックができるため、堅牢なアプリケーションが構築できる。
さらに、VB.Netは、.Net Freameworkのクラスライブラリにフルアクセスできることで、プログラマーはアプリケーション固有の開発に専念できるという。共通言語ランタイム(CLR)と連携しているC#やC++などと同様に、共通言語仕様(CLS)であるため、これらの.Net言語との統合が可能になるとしている。
上級開発者向けの機能としては、継承やコンストラクタ、デストラクタ、オーバーロードなどをサポートし、完全なオブジェクト指向言語になったという。また、スレッドモデルはマルチスレッド(フリースレッド)になった。
そのほか、高度な描画機能が提供されるGDI+や、自動メモリ管理(ガベージコレクション)もサポートされている。
また、VB6におけるオブジェクトのメモリ開放は、オブジェクトが参照されなくなったときだけだったが、VB.Netでは、発生のタイミングが不確定であるメモリ不足の場合でも、オブジェクトが開放される。
この日は、VB.Netのプログラミングについて、セキュアな実行方法やパフォーマンスを考慮したプログラミングモデルの要点が幾つか挙げられた。
強く推奨する設定は、「Option Explicit」による変数宣言の強制、「Option Strict」による厳密な型チェックなど。
データ型については、値型(Structure、Integerなど)は、要求された場所にアロケートするのにコストがかかる一方、参照型(Class、String)はヒープ領域にアロケートされるためにコストがかからない。そのため、値型には小さなオブジェクトを、参照型には大きなオブジェクト(Formなど)を割り当てることを推奨している。
例外処理の効率化では、「On Error」よりも、デバッグが容易でパフォーマンスもよい構造化例外処理である「Try...Catch」構文を使うことが薦められた。
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[怒賀新也,ITmedia]