エンタープライズ:ニュース 2002/07/05 19:28:00 更新


.Netプログラミングでも基本になる、オブジェクト指向超入門編

パシフィコ横浜でマイクロソフトが開催している技術者向けイベント「Microsoft Tech・Ed Yokohama 2002」のテクニカルセッションの1つとして、「オブジェクト指向プログラミング入門」が行われた。

 パシフィコ横浜でマイクロソフトが開催している技術者向けイベント「Microsoft Tech・Ed Yokohama 2002」のテクニカルセッションの1つとして、「オブジェクト指向プログラミング入門」が行われた。ソフトウェアをオブジェクトという単位で構築するプログラミング手法であるオブジェクト指向について、入門的な解説を行っている。.C#やVB .Netなど、Net Frameworkに準拠した言語はいずれもオブジェクト指向の言語だ。講演を担当したのは豆蔵の取締役副社長CTOである萩本順三氏。

 オブジェクト指向は、ソースコードと、関連するデータをクラスと呼ばれる単位にまとめ、プログラムの論理的な構造化を図る技法。C言語に見られるような関数を呼び出す構造だけでなく、扱うデータもまとめることで、プログラムのモジュール化をより進め、モジュールの再利用性を高めようという考え方だ。

 萩本氏は、「オブジェクトはクラスとインスタンスの総称」とする。クラスはオブジェクトの雛形、あるいは設計図と言っていい。そして、クラスから生成(new指定により)されるインスタンスは、オブジェクトの実行時の実体という。

 例として、愛猫の「みけ」をオブジェクト指向で表現したものが示された。まず、ネコ全般を表すクラス「Cat」を定義する。そのCatをさらに、愛猫の名前である「みけ」としてインスタンス化することで、「みけ」というユニークなオブジェクトを作れるわけだ。C#のコードで示すと下のようになる。なお、newは、指定されたクラス(ここではCat)のオブジェクトを生成する演算子。

Cat mike = new Cat(“みけ”)

 さらに、誕生した愛猫みけ(mike)を動かしたければ、予め定義したMoveメッセージ、鳴かせたければMewを指定することも紹介された。

mike.Move();

mike.Mew();

 萩本氏が定義したクラス「Cat」、およびメッセージ「Move」「Mew」は以下の通り。

using System;

public class Cat{

String Name; //名前

public Cat(String pName){

Name=pName;

}

public void Mew(){

console.WriteLine(Name+“>ニャーン”); }

public void Move(){

console.WriteLine(Name+“>移動中”);

}

}

 このように、独自のプログラムを作りたい場合でも、予め用意されたクラス(ここではCat)をベースに、必要な機能をインスタンスすることでそれを実現できる。クラスを再利用できるため、以降のプログラミングについても1からやり直す必要がなく、プログラマーにとって利便性が高いわけだ。

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[怒賀新也,ITmedia]