エンタープライズ:ニュース 2002/07/06 03:22:00 更新


IIS6.0の従来比最大200%向上がTech・Edで実演

Microsoft Tech・Ed Yokohama 2002の3日目、「Internet Information Service 6.0におけるハイパフォーマンスなWebアプリケーションの構築」セッションでは、デモを中心に現行のIIS5.0と、新たに登場するIIS6.0のパフォーマンス比較が披露された。

IIS6.0の従来比最大200%向上がTech・Edで実演

 Microsoft Tech・Ed Yokohama 2002の3日目、「Internet Information Service 6.0におけるハイパフォーマンスなWebアプリケーションの構築」セッションでは、.NET Servetに搭載されるIIS6.0の効果的な使用方法が紹介された。さらに、デモ中心に行われたこのセッションでは、IIS5.0との比較が披露され、その結果からは場合によって最大で200%以上もの向上が期待できる。

 IIS6.0で搭載される代表的な新機能は、次に挙げる3点だ。

1. 新たなプロセス動作モデルを採用

 アップグレードインストールでは、従来と同じくinetinfo.exeを共有するIIS5.0プロセス分離モード(I5IM)で動作する。しかし、新規インストールではワーカープロセス分離モード(WPIM)と呼ばれる動作モデルになり、「Web Administration Service」が各Webアプリケーションの分割管理を行う。

2. ワーカープロセスの採用

 複数のサーバを利用して負荷分散を行う「Webファーム」、単一のサーバでプロセス分散を行う「Webガーデン」機能が搭載された。

3. コンテンツキャッシュの効率化

 従来からもキャッシュという概念はあったものの、IIS6.0ではコンテンツをキャッシュするための仕組みが「カーネルモード出力キャッシュ」と呼ばれ、静的ページだけではなく、動的なコンテンツ(ISAPI、ASP、ASP.NET)でも可能になっている。

 IIS5.0とIIS6.0の動作比較デモでは、ISAPI、ASP、ASP.NETそれぞれのコンテンツページが用意され、10〜20秒間のストレス(疑似過剰アクセス)後に数値が比較された。

 実演結果からは、上記1番のプロセスモデル比較でISAPIコンテンツで25%の向上、ASPで95%、ASP.NETでは90%の向上という数値が見られた。また、3番のコンテンツキャッシュ比較では最大で223%もの向上となり、IIS6.0のパフォーマンス向上が際だつ。

 IISといえば昨今のウイルスによる騒ぎが気になるところだが、セキュリティ面では基本的に標準設定でサービスオフにするなどの配慮がなされ、パフォーマンス向上と共にアピールされている。今後、Windows 2000 ServerでWebアプリケーションを配信するサイトの多くが、IIS6.0に注目することになるだろう。

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