| エンタープライズ:ニュース | 2002/10/04 23:08:00 更新 |

「IBMソフトウェアの4ブランドはオープン化を加速」と堀田事業部長
10月3日、ソフトウェア事業部長として初めての記者発表会に臨んだ日本IBMの堀田一芙常務は、WebSphere、DB2、Lotus、Tivoliの4ブランドすべてにオートノミック・コンピューティングの機能を盛り込んでいくほか、他社のプラットフォームをサポートするオープン化を積極的に進めていくことを明らかにした。
10月3日、日本IBMはDB2 Universal Database(DB2 UDB)V8.1を発表、11月21日からネットワークを通じて販売が開始される。DB2 UDBはIBMのオートノミック(自律型)コンピューティングに基づく技術を投入し、管理コストを大幅に下げたRDBMS。Linux、AIX、HP-UX、Solaris、Windows 9x/NT/2000/XP上で動作し、すべてのプラットフォームで64ビットに対応する。
価格は32ビットのみに対応するユーザー数無制限のDB2 UDB Workgroup Server Unlimited Edition V8.1の1プロセッサライセンスが、従来バージョンの約半額となる114万6300円へと値下げされたほか、それ以外も前バージョンの価格を据え置いている。
ソフトウェア事業部長として初の発表会となる同社の堀田一芙常務は「プロダクトライフマネジメントが進化して、車の設計は1年で行えるようになった。新工場は9カ月ぐらいで立ち上げることができる。その点では情報システムの方がずっと開発の速度が遅い。だからこそミドルウェアが重要と考えている。中でもカギとなるのが、オートノミック・コンピューティングだ。IBMはこに最も予算とリソースを投入している」と話す。

前職ではマーケティング本部長として「IBM BB Access」構想などを推進した堀田氏
堀田氏の話すオートノミック・コンピューティングとは、コンピュータシステム自身がシステム内外のステータスを基に、自動的に判断を下しながら処理を行う技術だ。IT技術者の開発や管理のスピードを車の開発や生産ライン開発と同じぐらいに上げるためには、CADが自動機能の強化で設計速度を向上させたように、IT技術者の能力を加速、アシストする機能が必要となってくる。
そのため「DB2は、実際の現場で開発や管理を行っているユーザーの意見から、必要とする機能を抽出してオートノミック・コンピューティングの技術で解決、時間短縮と能率向上を実現できる」(堀田氏)という。
例えば、「ヘルスセンター」と呼ばれる新機能では、システムがメモリ不足に陥ったり、特定のタスクが極端にプロセッサを消費するなど、システムパフォーマンスの調整が必要な局面を自動判別し、電子メールやページャ、PDAなどさまざまな種類の連絡手段を通じ、自動的に管理者への通知を行う。
また、「コンフィギュレーションアドバイザー」は、パフォーマンスを最適化するためのパラメータをシステム自身が管理者に対してオファーするため、手動で何度もトライ&エラーを繰り返しながらチューニングする必要をなくしてくれる。
このほか、XML対応の強化やデータベース上の情報を統合しWebサービスとして提供する機能、情報を多次元の視点で素早く切り替えながら検索できる多次元クラスタリングもサポートする。
またDB2のマルチプラットフォーム戦略も順調に進んでいるようだ。日本IBM理事兼データマネジメント・ソリューション事業部長の安田誠氏によると、DB2認定技術者のDB2グローバルマスター取得者が今年4月以降激増し、日本国内で7000人を突破しているという。
「DB2は、RDMSの中で最も顧客満足度が高く、最もライセンスの伸び率も高い製品。新規ライセンス売り上げはワールドワイドでナンバーワンとなり、日本でもUNIX市場でのシェアは2倍になっている」(安田氏)
DB2はメインフレームで使われてきた経緯から、以前はIBM社内に技術者を囲い込む形でトレーニングを行ってきた。しかし、今はあらゆるプラットフォームでDB2の技術が利用可能になっている。こうしたオープンな戦略が、DB2への流れを加速させているようだ。
日本IBMは同社製ミドルウェアの技術者を養成し、オープンプラットフォームで展開を行うため、渋谷にソフトウェアCoC(Center of Competency)を作った。堀田氏によると、ソフトウェアCoCには140人のテクニカルエンジニアを配置し、テクニカルサポートや技術者向けの教育、情報提供といったプログラムを、日本IBMの社内システムと同じように提供できる体制を整えたという。
堀田氏は「今年はあと3カ月しかないが、ソフトウェア事業部が持つ4つのミドルウェアプラットフォームすべてがバージョンアップを控えている。DB2だけでなく全製品にオートミック・コンピューティングの成果が実装される。オープンなプラットフォームサポート戦略を積極的に展開することで、飛躍的に売り上げを伸ばしていくつもりだ。決算が近いこともあり、具体的な数字を示すことはできないが、日本IBMのミドルウェアが技術者に定着させることに注力する。年内にはその成果が見えてくるだろう」と話した。
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[本田雅一,ITmedia]
