エンタープライズ:ニュース 2002/12/18 22:42:00 更新


BladeStoreが日本上陸、「オンラインとニアラインストレージの組み合わせを」

日本ストレージ・テクノロジーは12月18日、テープ装置とハイエンドディスクサブシステムとの中間に位置する新タイプのディスク装置、「BladeStore」を発表した

 日本ストレージ・テクノロジー(ストレージテック)は12月18日、テープ装置と、SCSIベースのディスクサブシステムとの中間に位置する新タイプのディスク装置、「BladeStore」を発表した。米国では10月にリリースされた製品だ。

 一口にストレージといっても、そこに格納されるデータの種類や使われ方は多様だ。ストレージテックの分析によると、作成後すぐのデータは頻繁にアクセスされるが、数十日経つと、データへのアクセス頻度は極端に落ちるという。しかも、何らかの形で保存されるデータのうち80パーセントは、オリジナルのデータではなく、複製データだという。

 ストレージテックではこうした分析を踏まえ、数ミリ秒単位でのアクセスが要求される“出来立て”のデータ向けの「オンラインストレージ」としてディスクサブシステム製品を、また反応速度は遅くてもかまわない、大容量のアーカイブデータを取り扱う「ニアライン/オフラインストレージ」向けにテープライブラリ製品を提供してきた。

 BladeStoreは、この2つのカテゴリの間を埋める製品だ。SCSIではなくATAディスクを採用することで単価を引き下げ、さらに本体をブレード型とすることで省スペース化を図った。同程度の容量を備える、SCSI/ファイバーチャネルベースのディスクサブシステム「Dシリーズ」に比べると半額程度という。

 Dシリーズに比べれば、BladeStoreのパフォーマンスは確かに劣るが、そもそも製品の設計思想が異なると同社は説明する。「BladeStoreは、オンラインストレージとニアラインストレージの組み合わせを実現するための製品だ」(同社マーケティング本部長の吉川知男氏)。既存のテープドライブやディスクサブシステムと組み合わせ、バックアップを2層化することで、バックアップ/リストアに要する時間を短縮したり、ディスクサブシステムをいっそう有効に活用したりといったメリットが得られるという。

 BladeStoreは、ブレードに5個のATAディスクドライブを搭載した「B150」と、アレイコントローラの「BC84」から構成されている。ディスク1台あたり160Gバイト、つまりブレード1枚あたり800Gバイトの容量を備えており、RAIDとしても、またJBODとしても利用可能だ。BC84では、最大200個までのストレージブレードをコントロールできるため、1システムあたりの最大容量は160Tバイトとなる。

 同社では、BladeStoreを管理するための専用ツールを提供するほか、将来的には異機種混合環境での運用を支援するためのソフトウェアを開発、提供する方針だ。合わせて特定の業種に向けて最適化したストレージシステムの一部に組み込むほか、顧客システムに合わせた導入支援・設計コンサルティングも展開する。

 BladeStoreの価格は、8Tバイト構成で2680万円から。2003年1月6日より出荷が開始される。

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[ITmedia]