エンタープライズ:ニュース 2003/03/07 03:47:00 更新


新サーバコンポーネントRMSとWSSで付加価値高まるWindows Server 2003

マイクロソフトは3月6日、プレス向け「Windows Server 2003 Workshop」で、同社の提唱する「インフォメーションワーカー」インフラとしてのWindows Server 2003の機能となる「Windows Right Management Services」(RMS)と、「SharePint Team Services」(STS)の後継「Windows SharePoint Services」(WSS)の2種類のサーバコンポーネントを紹介した。

 マイクロソフトは3月6日、プレス向け「Windows Server 2003 Workshop」で、同社の提唱する「インフォメーションワーカー」インフラとしてのWindows Server 2003の機能となる「Windows Right Management Services」(RMS)と、「SharePint Team Services」(STS)の後継「Windows SharePoint Services」(WSS)の2種類のサーバコンポーネントを紹介した。

 3月3日の「Information Worker Day 2003」で発表された企業内情報保護機能「Windows Right Management Services」(RMS)は、「ソフトウェアでできる限りの情報保護を実現する」とのコンセプトをもとに開発されたもの。Windows Server 2003にRMSを付加することで、Webコンテンツ、文書ファイル、電子メールなどによる情報漏えいを保護することが可能になるという。

 これまで企業内の情報は、ACLなどを用いて共有ファイルを保護していても、アクセス権のある人間がノートPCなどで外部に持ち出してしまったりなど、管理者のコントロールが効かないという問題があった。RMSは、これらの問題に対処しようというものだと説明する。たとえば、Webコンテンツのコピーや印刷を禁止したり、電子メールの転送禁止設定を行うなどといったことが実現できる。

 保護対象となるコンテンツに対し「誰が利用するのか」という認証には、Active Directory(AD)を利用し、RMSで「どんなことを許可するのか」といった設定をすることで柔軟な制御を可能にする。認証については、AD以外にもNT4ドメイン、.NET Passportも使用できるという。

 RMSは、Enterprise Editionのみが対応するサーバコンポーネントとなる。クライアント用アップデートとしては、APIライブラリなどを提供する。また、独自アプリケーションを作成するためのソフトウェア開発キット(SDK)も用意される。現在のところマイクロソフト製品では「Office 11」が対応することになっている。

 価格やライセンス体系は、有償、無償も含めすべて未定。SDKおよびRMSのベータ版の公開は、2003年春、最終版は2003年後半を予定と、まだ詳細は決まっていない。

Windows SharePoint Services(WSS)

 マイクロソフトがWindows Server 2003にアップグレードしてもらうためのインセンティブとして考えている機能の1つが「Windows SharePoint Services」(WSS)。これは、情報や文書を共有する共通の環境を提供するコラボレーションソフト「SharePint Team Services」(STS)の後継にあたる。

 Windows Server製品部シニアプロダクトマネージャの吉川顕太郎氏は「これまで人類は共有フォルダで情報を共有してきたといえる。WSSは、これをブレイクスールする機能だ」と説明した。

 これまで、STSと企業内ポータル構築する「SharePoint Portal Server」とは異なるアーキテクチャで提供してきたが、WSSでは同一のアーキテクチャとなり、SharePoint Portal Serverの完全なサブセットになるという。

 また、ASP.NETアプリケーションとして実装することで、ソフトウェア開発ベンダーや企業内開発者が多彩なソリューションを開発できる基盤も提供していく。WSSの詳細については今後、順次明らかにしていくとのことだ。

 Windows Server 2003ユーザーに対して、無償で提供される。Office 11と高度にインテグレーションされるWSSは、Office 11と同時期の提供となる。ちなみにOffice 11の発売時期は、2003年の第3四半期となることが「Information Worker Day 2003」で明らかにされている。

関連記事
▼「Office 11」が国内初お目見え、発売は7−9月期
▼マイクロソフト、SharePointの今後の計画を発表

関連リンク
▼マイクロソフト

[堀 哲也,ITmedia]